第355話たった一つの魔術により全て剥がされてしまう
そしてミズキとメアリーはガーネットを心配しつつも一瞬にしてこの場から離れ距離を取りながらミズキの、この世界には存在しない魔術を執事へと放つ。
しかし執事は追いかけるそぶりも、迫る炎の槍を避けるそぶりも見せずミズキが放った魔術が直撃する。
「いくら油断していたとしてもこの私が相手に懐まで入られ、なんの抵抗も出来ず攻撃を貰う日が来るなんて……完璧侮っていたわ」
「ガーネット……無事で良かった」
相手にミズキの魔術が当たった事とガーネットが無事であった事が分かり安堵するミズキなのだがこの程度で倒せる相手だとは到底思えない為、視線は執事を飲み込んだフレイムランスが火柱に変わり出した光景から逸らそうとはしない。
「しかしいつ見てもいいミズキの魔術は凄まじいですね……」
「フム……この私が知らない魔術がまだこの世に存在するとは……いやはや長生きはしてみるものですね。 マドモアゼル」
「それはどうも。 ですが人間の皮を被った化け物は本日を持ちまして討伐させて頂きます。 世界は姿を変え 時さえ止めんとする極寒の世界を【フィードバック・ワールド】」
「ほう……炎魔術だけではなく氷魔術まで初めてみる魔術……この老骨久々に楽しめそうで何よりです。 炎魔術段位二【炎風】」
「援護しますミズキ!土と水の混合魔術段位三【泥の壁】」
始めにミズキは氷魔術で世界を極寒かつ白銀の世界に変える魔術を発動し、それに抵抗すべくセバスチャンは文字通り炎の風を繰り出しミズキの魔術を相殺するだけではなくそのまま炎に飲み込むかに思われた。
しかしその炎の風はメアリーの土と水の混合魔術により阻止する事に成功すると共に泥の壁は崩れ、そのままセバスチャンへなだれ込む。
「今の内に体制を整えますよ!」
そしてセバスチャンが泥水に飲み込まれた姿を見たガーネットがすぐさま二人に指示を飛ばし追撃では無くセバスチャンの初撃で乱れてしまった体制を整えるように指示を飛ばす。
そして体制を整えた三人は各々に付与魔術によりバフやダメージカットなどを誰に言われるでも無く互いに付与していく。
その一連の流れは今まで幾度となく潜り抜けた死線の数を連想させる程、三人は呼吸の合った動きをしていた。
「水魔術段位三【正常化】」
しかし三人がかけた様々な付与はセバスチャンによるたった一つの魔術により全て剥がされてしまう。
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