第344話恋は盲目というが、サラの場合少し度がすぎる
「も、もしかして……その新国家とやらの国王は………クロではないですよね?」
「クロ・フリートが国王に決まってるだろ? ギルドで情報を入手していないのか?」
「こ、ここ半年近くは初めて出来た彼氏に熱を上げてたというかなんというか………」
恋は盲目というが、サラの場合少し度がすぎると思ってはいたがここまでクロ以外見えなくなってしまっているとは思いもしなかった。
そして自分もこの脳がピンクに染まったメスオークを倒し盲目になってやるのだと決意を新たにする。
「なんか物凄く失礼な事を考えてないですか?」
「そんな事考えても無い。 メスオークが恋に盲目になってんなと」
「………ま………まあメスゴリラはメスゴリラなりに色々と筋肉しか詰まってない頭で考えているのですね」
「ふふふふふ」
「ほほほほほ」
メスオークが不敵な笑みを浮かべている為さり気なく足を踏みつけようとするのだが、読まれていた様でハラリと躱されアッパー気味のボディーブローをサラが放って来たのでそれを手で止める。
「素直に踏まれていれば良いものを、猪口才な」
「ボディーブローを喰らって悶えていれば良かったものを、小癪な」
最早このメスオークは情状酌量の余地なしだろう。
私をメスゴリラと宣った時点で執行猶予すら無く、其れ相応の裁きを必要なのは決定事項である。
「ふふふ」
「ほほほ」
しかしサラも考えている事は私と同じであろう。
お互いに不敵な笑みで微笑みある。
「あ、クロが勝った」
「ふふふ……へっ!?」
「ほほほ……はっ!?」
そんな不敵な微笑み合いをしている時、キンバリーが無情にもクロとスフィア・エドワーズの対決がクロの勝利で終わった事を告げる。
そして先程までクロとスフィア・エドワーズが戦闘を繰り広げられていた場所に目線を向けると黒竜は倒れ、スフィア・エドワーズは黒い紐の様な物で束縛されているのがここからでも見える。
クロとスフィア・エドワーズの対決を見逃してしまったのはそれもこれも全てメスオークのせいだろう。
許すまじメスオーク。
「お、落ち着いて下さいお二人とも! クロとスフィア・エドワーズさんの対決はクロに貸していただいてるタブレットという魔道具で映像を録画していますから! いつでも見れますから!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます