第193話【閑話】スムージー2
そしてこれからそのジョッキのようもの、ウィンディーネ様曰く『みきさー』若しくは『じゅーさー』なる物でスムージーなる物を作るというらしい。
「飲み物と言われればそうなのですが、凄く栄養価が高くて身体に良い飲むサラダと言った感じですね」
私の疑問にセラ様が答えてくれる。どうやスムージーはとても栄養価の高い飲み物のようだ。
しかも栄養価が高い上に『かろりー』なる物が低く太りにくい、女性に対して正に魔法の様な飲み物らしく期待も大きいのだがそれと同等の不安もある。
セラ様は料理が壊滅的だという事はこの役一ヶ月近い旅路で嫌が応にもその身をもって思い知らされてきた。
その経験則が「セラ様に『スムージー』を作らせてはいけない」と訴えかけてくる。
「しかし、そのスムージーなる料理を作る様ですが、ここの宿屋にある厨房を借りる為の許可は得ているのですか?」
「………?得てないですが?」
ミセルの問いかけにセラ様は何故か自信満々にそのプロポーションの無駄に良い胸をはる。
「だってこのミキサーに食材を入れて、後はこのボタンを押して少し待つだけです。こんなのサルでも出来ます」
なら料理が壊滅的にダメなセラ様でも大丈夫ですね……。
「なら料理が壊滅的にダメなセラ様でも大丈夫ですね……」
「…………ミセル?」
どうやら心の声がそのまま口から出てしまったみたいである。油汗が一気に噴き出し止まらない。
「言いたいことはそれだけですか?」
「いやっあのっ、えっとですね……っ」
適切な言い訳が咄嗟に思い浮かばず言葉に詰まり助けを求める様に視線をレイチェルの方へ移すと、声を押し殺しながらも腹を抱えて笑っているのが視界に入る。
どうやら後で死にたいらしい。
しかし今を切り抜かなければ奴を始末する前に私が始末されかねない……ど…どうしよう……。
「………ま、まあいいでしょう。今まで数々の料理を失敗してきたのですからミセルの気持ちも分かります」
そして死刑宣告を待っていた私にセラ様は御慈悲をくれると分かり一気に安堵する私と、視界の端で対照的に先程の私の様に油汗をかき始めるレイチェルが見える。
「ですからミセルには今から私が作るスムージーを飲んで頂きます。もう今までの私では無い事をお見せしましょう」
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