第152話その姿はまるで死を運ぶ死神
そう言うと彼女の周りにいた小鳥や虫など種に関係なく命ある物が彼女のスキルによって失われて行く。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい」
そして謝罪の言葉を口にするも全く悪びれる様子も無く彼女が歩き、出会った命が消えて行く。
その姿はまるで死を運ぶ死神のようである。
「……おかしいわね、こんなにクズ達の情報を集めてもアルの情報が集まらないわね………」
「お困りですか?」
「あら、人に話しかけられたのなんていつ以来でしょうか………?教えて下さる?」
「いや、教えて下さると言われても……俺はお前の事なんか知らないし……まあでも困っているのなら出来る範囲で手を貸しても良いが?」
「あら、そうね。私ったらうっかりしてたわね。私は今アル・ヴァレンタインという方を探して居るの……よ?」
「いや、疑問系で言われても……」
「あらあらあら、それもそうね。ごめんなさい……会話したのも本当に久しぶりなのよ。前に話した時が何時なのかすら忘れてしまうくらいに。何でか知らないしけど皆さん私を見ると逃げて行くのよ?」
そう言うと彼女はコロコロと笑い出した
「しかしそうだな……そのアル・ヴァレンタインと言うのが君の探している人物と同一人物かどうかは定かではないが、同じ名前の人物なら知ってるが?」
「あらそうなの。ならなら話は早いわね。あなたのその知識をくださいな………あれ?知識が、情報が入って来ないわね……?」
そしてクロがアルの事を知っていると言うと彼女はおもむろに手を伸ばしスキル【知識の対価】を発動するのだが上手く決まらず首を傾げる。
そしてその様子を見ていた男性も不思議そうな顔をした次の瞬間、男性は何者かに吹き飛ばされ、吹き飛ばされた先で綺麗な金髪をショートカットにし、髪と同じ色の耳を頭に生やした女性が吹き飛ばした男性を守る様に立ち振舞う。
「大丈夫なのか御主人様っ!?何かこいつにされなかったかっ!?」
「痛っ………大丈夫か大丈夫でないかは大丈夫じゃないだろどう見ても。お前のせいでな」
そして吹き飛ばされた男性は吹き飛ばした張本人であろうショートカットの女性に抗議の目を向ける。
女性の額に見える模様と、男性に対する呼び方で彼女が男性の奴隷である事がわかるのだが、所有者である男性危害を加えても奴隷であるショートカットの女性に何も変化がない所からどうやら奴隷と言うよりも家臣と言って良い程度の契約でしか縛られてないみたいである。
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