第98話お漏らししていた事がバレていたらしい
家賃は外壁の外側の下町、さらにその下町の端側ということで相場の三分の一以下の値段で借りている事など聞いてもいないのに話して来る。
部屋の内部は部屋を仕切る壁が無い変わりに部屋ごとに布で仕切っており、台所などでは食べ物を入れる容器が三種類あり、その容器に多分所有者の名前なのだろう文字が、この世界の文字で書かれていた。
そして入って直ぐの、麻の布で仕切られている部屋がレニアの部屋らしく、案内される。
「おじゃまします」
「ど、どうぞ」
案内されるがまま入るのだが部屋の一角、風通しが良さそうな場所に多分下着なのだろう純白に輝き放つ肌着らしき物が室内で干されているのが目に入る。
うむ、苦学生って感じだな……。
「きゃぁぁぁぁあ!?」
そして俺の視線に気付いたのだろうレニアが物凄い速さで移動すると、それらを素早く回収しタンスに手早く片付ける。
「はぁ……はぁ……み、見ました?」
「背伸びせず無難に白とは学生らしくて良い心がけだ」
「ぁうぅ……よ、よりにもよって一番恥ずかしい下着を見られた……」
「ん?何だって?」
「なっ、何でもないです!」
ふむ、白の他にも下着のバリエーションはあるのか。
是非とも見てみたいものである。
そんなレニアの可愛くも微笑ましい反応に癒されながらもおぶっているずぶ濡れのギルド受付嬢をどうにかする為に顔を真っ赤にしているレニアに風呂場を案内してもらう。
「せ、狭いですけどここが水浴び場です。さ、流石に風呂場がある所はお家賃が高いのと、薪を買う余裕もないので……」
と未だに顔を赤らめながら室内で唯一石造りの壁と扉で仕切られている水浴び場に案内してくれたのだが、俺視点では思いの外広く感じるのだが、レニアの体格からすれば狭いと感じる広さでもあるのだろう。
「十分な広さじゃないか。じゃあこいつの身体をこのままじゃ可哀想だから綺麗にしてやってくれ」
「わ、分かりました!お漏らししたままじゃ気持ち悪ですもんね!」
「え?」
「……はい?」
どうやらレニアにはこいつがお漏らししていた事がバレていたらしい。
と、なるとあの場所に居合わせていた他の人達にもバレている可能性が高いと思ったのだが、レニア曰く嗅覚が優れている人種にはまるわかりらしいのだがその他の人種には分からない程度らしく、あの場所に居合わせていた嗅覚が優れている人種の人はお漏らしたギルド受付嬢の両隣である獣人受付嬢ぐらいだったらしい。
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