第92話何でもしますから!
来た!この俺の土下座見ても果たして許せないと言えるのか見せてもらおうか。
「私たちの外部講師になって下さい!」
「刮目せよ!我が奥義……はい?外部講師」
「は、はい」
……俺をここまで追いかけて来たのはセクハラ云々ではないと?ま、まあこれでも紳士ですからね。あれはいわゆる紳士撫でであるからしてセクハラではない。
しかし外部講師とは一体なんなのだろうか?ちゃんと給与などが支払われるのなら興味がある案件ではある。
「すまんが俺はこの街に来たばかりで、こも街について疎くてな、すまないがその外部講師とやらを教えてくれないか?意味を理解してないと断ることも了承することもできない」
「あ、はい…分かりました」
そういうと彼女は外部講師について語りだす。
「外部講師というのは、立場的には非常勤講師と似ていますがすが非常勤講師と違い給料は発生しません。ですがその変わり、生徒登録をしているしている生徒が年一回開かれる文武実力試験にて武術及び文学のどちらかで秀でた成績を残す事が出来ればその年の、生徒の成績が悪かった学園講師と入れ替わりで学園の講師になれる権利を得れます」
「そうか。その話は申し訳ないのだが丁重に断ろう。他をあたってくれ」
講師になりたいのなら喉から手が出るほど欲しいチャンスなのだが、講師になりに来たのでもなければ只働きをしに来たのでもない。
学園関係者という肩書きは魅力的なのだが、逆に言えばそれだけである。
ここは学園都市と呼ばれているほどの都市なのでこの都市の発展には学園が大きく関わっているのだろう。
だとしたら探せばもっと良い条件で学園の関係者になれるはずである。
「そ、そんな…私たちにはもう後がないのです!な、何でもしますから!」
何でもする。実にホモ臭く、魅力的な言葉である。
その言葉で思わず首を縦に振りそうになるが、なんとか押さえる。
「何でもするってお前…………身体を売れと言ったら売るのか?」
「っ……や、あの……」
そしてお返しとばかりに意地悪な質問で返し彼女の、今にも泣きそうで怯えるような反応に満足する。
「覚悟も無いのにそんな事言っちゃ駄目だろ?俺のどこにそこまで期待しているのか分からないがとにかく他をあたってくれ」
そういうと彼女の頭を二回軽くポンポンと叩くと、もう要はないと図書館を後にする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます