第64話ヤンデレはやはりヤンデレだったみたいである
しかしアーシェが言ってる事がちょっと、いやかなりイッちゃってるのでヤンデレはやはりヤンデレだったみたいである。
しかし、あの巨乳を揉めるのなら……とぐらつきそうになるのを後ろ髪を引かれながらも鋼の意志で何とか振り切る。
「いや、逆にお前だって危ないんだぞ?」
そうクロが言うとアーシェの顔からさっきまでしていたなついた犬のような表情とオーラがが消え、代わりに気の強そうな顔付きに似合ったオーラと表情を身に纏う。
「まさかお兄ちゃん。私がお兄ちゃんに負けると思ってるの?」
たったそれだけの言葉を喋るだけで辺りは高密度な魔力によりずしりと重くなる。
魔力総量は確かにクロより少ないのかもしれない。しかし乗り越えて来たであろう死線の数は計り知れない事が伝わってくる。
「みた感じ殺気も放てないし、殺気を受ける経験なんかもほとんど無いんでしょ? お兄ちゃん。 大丈夫。私が殺してあげる。じゃあルールは公式ルールのままで良いね? じゃあ試合開始!」
先ほどの表情から一転、緊張感のない開始の合図で試合という殺し合いが始まる。
先に動いたのはアーシェで無詠唱で大量の【ダークホール】を「お兄ちゃんが私の物にお兄ちゃんが私の物にお兄ちゃんが私の物に」と呟きニヤケながら展開していく。
いきなり【ダークホール】を出してきて警戒するクロ。
ゲームではほとんどの物を闇の中へ吸収する技であるのだが、自ら入らなければダメージはないし、入ったとしても受けるダメージはたかが知れてるためこのように試合開始と同時に大量の【ダークホール】を出してくるなんて使い方を見たことがない。
しかし相手は魔王になった実力があるため油断は出来ないと気を引き閉めるとアーシェがさらに呪文を使う。
「逆再生!」
アーシェは先ほど出した全てのダークホールに光の魔術段位七の【逆再生】を使うとダークホールの渦の回転が反転する。
そしてダークホールから逆再生されたかの如く、事前に吸っていただろう数多の魔術攻撃がクロにめがけて降ってくる。
「今まで私を倒しに来た者たちが私に放った攻撃をお兄ちゃんに打ち返してあげる」
威力や段位こそ低いものの、【ダークホール】から吐き出される魔術の数々に籠った殺気や術者の想いなどが放たれた魔術から伝わってくる。
そして本来ゲームでは【ダークホール】などで吸収した魔術などは【逆再生】をかけても出てこないのだが、実際【ダークホール】に吸われたエネルギーや物質が存在しているためこの世界が現実だとすれば吸収したからといってその痕跡すら完全に消えてなくなるという事はありえないのだろう。
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