第113話 治癒をしよう
オズワルド様はセシルさんと私を部屋に残し、皆様を部屋から出すとすぐにセシルさんの顔を見た。
「リンハルト親子はセシルへの態度を改めてなかったのか?」
「…オズワルド様がいらした時は普通ですが、最近は特にこの顔になってからは…でも、レオン様が私を邸に呼んで下さり、今は少し楽になりました」
レオン様に感謝しているのか、少し恥ずかしそうに話すセシルさんにオズワルド様はズバッと聞いた。
「レオン様が好きか?」
セシルさんは慌てるように下を向いてしまった。
「わ、私なんか…相手にしませんから…」
「そんなことありませんわ、レオン様が人の為に動くのは初めてかもしれませんよ」
思わず、横から口を出してしまった。
「…リディア様ほどお綺麗なら自信もあったかもしれませんが…私では釣り合いません…」
セシルさんは綺麗だと思うのですけど。
そう思うほど、その痣が気になっていたのだろう。
しかし、私を誉めてくれるなんて、セシルさんは可愛いわ。
「オズワルド様、セシルさんが綺麗と言ってくれましたよ」
「いつも誉めているだろう」
それはそうですけど、人に言われるとまた違うのですよ。
「セシルさんも綺麗ですよ。すぐにオズワルド様が治してくれますからね」
「ありがとうございます」
セシルさんはきっとオズワルド様を信頼しているのだろう。
治してくれることに疑いなんてない嬉しそうな顔になっていた。
「リディア、ライアを呼んで来い。すぐに魔素を吸いとるぞ」
「はい」
そして、廊下で待機しているライア様という魔法騎士を呼んだ。
「オズワルド様がお呼びです。すぐに魔素を吸い取るそうですよ」
「はい、了解しました」
ライア様を呼ぶと一緒にいたレオン様もセシルを見ていいかと聞いてきた。
オズワルド様は聞こえていたようで、構わん。と招き入れた。
そしてすぐにセシルさんの治癒が始まった。
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