第110話『天の神様の言うとおり 3』

 オフの日の昼、巳海は愛里に誘われて、愛里のお気に入りケーキ屋さん「スペランツァ・ルーナ」にやって来た。


愛里「えっとじゃあ、コーヒーババロアケーキ1つ、チーズケーキ1つと、アイスティー2つで。」


店員「かしこまりました。」


店員が去る。


巳海「……なーんか、あの店員さん、あんなにかっこよかったっけ?」


愛里「んね~。」


巳海「あれ、そういえば、店員さん、アイドルやってるんだよね?」


愛里「そうだったねぇ。」


巳海「まさか……」


巳海が何かを検索している。


愛里「どしたのー」


巳海「んーと……ほら、いた!」


愛里「……ムジチスタ、望月もちづき歌生かい。……おわー!店員さんだー!」


巳海「店員さん、HiHに出るんだね!?」


愛里「すっごーい!世間は狭いねぇ~。」


巳海「ほんとにねぇ。」


歌生「お待たせしました。アイスティーです。……お話、聞こえちゃいました。トゥインクルエンターテインメント所属、ムジチスタの望月歌生です。はじめまして、日辻ひつじ愛里さん、双葉ふたば巳海さん。」


巳海「わ、聞こえてました?ごめんなさい!はじめまして。Dynamic♥Heartダイナミックハートです~」


愛里「はじめまして。ここのお店はバイトなの?」


歌生「あ、いえ、ここ僕のおうちなんですよ。だから、学校が休みの日はお手伝いしてるんです。」


巳海「え、ってことは……高校生?」


歌生「はい!」


愛里「っていうか、トゥイエンなんだね。一緒じゃん。あ、じゃあさ、冥賀みょうがまさるさんって人と、喋ったことあるの?」


歌生「ありますよ!」


巳海「あぁ、そういや、ほなっちゃんに、副会長くんにどんな人か聞いてもらうの忘れてたね。」


愛里「うん。」


歌生「あ、不知火しらぬい隼磨しゅんまくんですか?」


巳海「そうですそうです。Eternal Cometエターナルコメット?で、冥賀さんと同じユニットのはずだから。」


歌生「はい。智さんは、とっても優しくて、素敵な方ですよ……!」


巳海「へ~。やっぱり、信頼が厚いから、色々任されてるって感じなのかな。」


歌生「そうですね。智さんに任せたら何だって100%で返ってくるって、事務所の方もおっしゃってましたから。」


愛里「そうなんだぁ。すごい人っぽいね。負けないようにしないとね。」


巳海「そうだねぇ。ワンチャン、私たちより目立っちゃうくらいの存在感かもしれないんだから。」


歌生「あはは、そんなそんな。僕たちは皆さんをより盛り上げられるよう、頑張りますね……!」

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