第102話『裏切りのアイドル 終』

 元Re:MYの3人は、カフェに集まっていた。


舞央「いつ見つかってもおかしくないと思うの、あの時、何も言わずにファンの前から姿を消した、が。」


ゆりか「……怒ってるかな。」


れいむ「正直、もう忘れていてくれっていう気持ちも少しある。いや……忘れててほしくはないんだけど。」


舞央「うん、分かるよ。見つからないままエイチフェス2021を迎えたいし、なんなら、このままずっと、見つからないであってほしい。」


ゆりか「……そだね。私、これまで見つからずにやってこられてるから、ちょっと油断してるところはあるんだけど……さすがに、水谷みずたに舞央、佐曽利さそりれいむ、杉森すぎもりゆりか、って文字見たら、思い出す人はいるよね……。いなかったらいなかったで、複雑だけど。」


舞央「……まぁね。とにかく私たちは、徹底して隠し通す方向でいいよね。」


れいむ「誰にも言わない?マネージャーさんとかにも。」


舞央「うん。……あ、いや、メンバーには言っていいと思うけど。」


れいむ「言ってるわ。」


ゆりか「えっ、そうなの?舞央も?」


舞央「うん。」


ゆりか「あっ、そうなんだ……」


舞央「オプティミ、意外とそんな話しないんだ。」


ゆりか「うーん、そうだねぇ。あんまりしないかも。」


れいむ「まぁ、メンバーには言ってた方がいいかもね。迷惑かけちゃうかもしれないし。」


ゆりか「マネージャーさんは?いいの?」


舞央「……うん。マネージャーさんには、言うことで迷惑かけそう。いつも忙しそうだし、これ以上は負担を増やしたくないな。」


れいむ「そうねぇ。」


ゆりか「言わないだけで、気付いてたりしてね。事務所は。」


舞央「……たしかにね。」


れいむ「一旦エゴサしてみるか。」


れいむがTwitterで「Re:MY」と調べる。


れいむ「……当たり前だけど、フツーに活動してた頃の私たちの写真とか出てきた。」


ゆりか「やっぱり怖いよぉ、マネージャーさんには言おうよ〜。」


舞央「……そう、だね。私たちだけじゃ抱えきれないかも。かつての私たちには無かった力が、今の私たちにはあるからね。」


れいむ「ねぇ、一応だけど、Re:MYが見つかって良い方向に向かうってパターンも無きにしもあらず。ずっと待ってた!みたいな。また3人のステージ観たい!みたいな。え、自己肯定感高すぎ?」


舞央「……ま〜〜〜、そうだったらいいよね〜!」


ゆりか「マネージャーさんにはいつ言うの?」


舞央「私たち3人とマネージャーさんのスケジュールが合う日、マネージャーさんに聞いてみるね。あるかなぁ、そんな日が。ちなみに、次のオフ、いつ?」


れいむ「日曜はあんまり入ってないよ〜」


舞央「あ、ほんと?あ、私も来週の日曜は空いてるや。ゆりかは?やっぱ忙し?」


ゆりか「う、うん……多分……?」


れいむ「ゆりか?」


ゆりか「……えへへ。オプティミズム♪、もっと頑張んなきゃかも。」

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