第93話『陽菜子ちゃん、お誕生日おめでとう!』

 9月18日。陽菜子ひなこを除くUTOPIAユートピアの3人は、かおるの家にやってきていた。


愛灑あいさ梅香うめかちゃん、元気になって、ほんとによかったよねぇ。」


華雪かゆき「陽菜子さん、梅香さんが目を覚ましてから、いつもよりもっと元気で可愛くなりましたもんね!」


薫「そりゃ、大切な人の笑顔が一番のエネルギーだからね。陽菜子ちゃん、少し仕事に身が入ってない感じがしたから、心配してたんだよ。陽菜子ちゃん、梅香ちゃんのことばかり考えているんだろうな、と思って。陽菜子ちゃんの不安そうな顔を見ているだけで、こっちも悲しくなっちゃうからね。」


愛灑「うん。」


華雪「陽菜子さんが辛い時、そばに居れてよかったです。」


薫「ほんとそうだねぇ。」


愛灑「マリメロはふたりで頑張ってたんだもんね。すごいなぁ。」


薫「……と、感傷に浸るのも良いですが、パーティーの準備に取りかかろうか。」


華雪「そうですね!」


愛灑「ねーねー、ケーキ焼きたい。」


薫「今から!?」


愛灑「うん。やっぱりケーキはあった方がいいし。」


華雪「今から買いに行こうと思ってましたけど、愛灑さん手作りの方が、愛情たっぷりでいいですね!」


薫「あと3時間だよ?間に合う?」


愛灑「間に合う!」


 3時間後。


陽菜子「お邪魔しまーす。」


梅香「お邪魔します!うわぁ!なんかいい匂いするねぇ!」


陽菜子「うん」


華雪「あっ、あ、あ、愛灑さん、来ちゃいましたよ!」


愛灑「間に合わなかったねぇ。陽菜子ちゃんごめんねぇ。まだケーキ作ってる~」


陽菜子「あはは。愛灑さんらしくて、むしろホッとします。」


陽菜子は梅香の手を握っている。


華雪「ふふ、仲良しですねぇ~」


陽菜子「あっ、いや、違う。」


梅香「あ~、なんで離しちゃうのぉ?」


陽菜子「違うもん」


梅香「何にも違わないでしょ?梅香のこと、大好きなんだからぁ。」


陽菜子「そうだけど!!」


薫「あはは。さ、可愛くおめかしした主役ちゃんは、ここに座って。梅香ちゃんも、退院祝いだね。」


梅香「あらまぁ、ありがとう~!」


愛灑「待ってねぇ、あとデコレーションしたら終わりだからぁ。」


陽菜子「わざわざ手作りしてくれたんですもんね。ありがとうございます。」


 30分後。


愛灑「お待たせ!できた!!パーティーしよ!!」


薫「おぉ、いつになく元気な愛灑。うん、始めようか。」


華雪「はい!MCします!ただいまより、味彩あじさい陽菜子さんのお誕生日会を始めますっ!」


梅香「わ~い!」


UTOPIAと梅香に囲まれて、陽菜子は笑顔で13歳を迎えた。


陽菜子ちゃん、お誕生日おめでとう~。陽菜子ちゃんは私よりずっとしっかりしてるし、ちゃんと考えてるし、偉いね~。けど、たまには甘えてね?

陽菜子ちゃん、お誕生日おめでとう!しっかり者で、大人っぽくて、そんな陽菜子ちゃんが時々心配になることもあるよ。なんでも相談してね。

陽菜子さん、お誕生日おめでとうございます!いつも、頼ってばっかりな気がします!私も陽菜子さんの力になりたいです!なんでも言ってくださいね!

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