第76話『合同練習~トゥインクルエンターテインメント~ 4』
元
舞央「れいむ。」
れいむ「あっ……うん、ごめん。」
舞央「ううん。……ありがとう。」
れいむ「えっ……?」
舞央「アイドル、しててくれて。れいむの歌、やっぱり……好きだな。」
れいむは思わず舞央に抱きついた。
れいむ「ずっと……会いたかった。舞央が眩しい。輝く舞央の隣にいるべきだった。後悔してる。馬鹿だよ、私、馬鹿だよ。」
舞央がそっと抱きしめる。
舞央「……ほんと……バカだよ。私の前で、ああやって新しい仲間と、あんなに楽しそうに歌って踊っちゃってさ。……嫉妬しちゃうよ。」
ふたりはしばらく静かに抱きしめ合った。
れいむ「ほんとに……ごめんね。舞央に許してもらえるはずないよ。」
舞央「ううん。私だって、若かった。何も考えてなかった。ふたりの方が賢かったよ。今なら分かる。ふたりが、正しかった。」
れいむ「……そうなのかな……。舞央、ゆりかとは、もう会った?」
舞央「ううん。ゆりかの方が売れてる。悔しいな。負けらんないよ。2人は、私の永遠のライバルなんだから。」
れいむ「……いや。そりゃユニットで言ったら、たしかにオプティミズム♪が人気だよ。でも、私たち3人の中では、やっぱり舞央が頂点だよ。歌もダンスも、存在感も、煌めきも。」
舞央は困ったように微笑んだ。
舞央「そうかな。」
れいむ「うん。……はぁ、よかった。話せないまま本番になっちゃったらどうしようかと思ってたよ。」
舞央「私も。でも自分から行く勇気なかった。ありがとね、れいむ。」
れいむ「……ヒカリちゃんたちが後押ししてくれたから。」
舞央「ふふ。私も、今日になるまで、彩乃ちゃんたちがたくさん心配してくれたよ。ちゃんとお話できますか?私たちが繋ぎましょうか?って。」
れいむ「……お互い、良い仲間を持ったね。」
舞央「うん。あの時の判断が……全て間違ってたとは、思いたくないな。……間違ったところも、あるけどね。」
れいむ「……うん。」
5年前。SNSから人気が出て、単独ライブを行うまでになった、中学生アイドルユニット
れいむ「舞央。私たち、それぞれ違う高校に行くじゃん。」
舞央「うん!高校生になっても、みんなで集まる時間作れるようにしなきゃね。」
ゆりか「違うの。聞いて、舞央。」
舞央「何?」
れいむ「……私たち、高校生になるんだよ。いつまでも……Re:MYはしてられないよ。」
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