第38話『もういいかい 4』
桃莉「すーはー」
控えテントから客席を覗いてみる。
「昨年のエイチフェスのペンライトを持っている方もいますね。皆さんのファンの方ですよ。」
千翼「これだけたくさんのこれまでJoyfulenceを見たことがなかった人にも、見てもらえるね。」
凛果「そうだね。大チャンスだよ。円陣、組もう!」
これまでずっと「お客さんの目の前でのパフォーマンス」のために練習してきたJoyfulenceだからこそ、少し余裕があるように見える。落ち着いてパフォーマンスが出来そうだ。
桃莉「よし。」
奈々「マネージャーさんも!」
「はい!」
5人で丸くなる。
凛果「今日、Joyfulenceを見たすべての人を笑顔にするパフォーマンスをするよ!いくぞー!」
「「おー!!」」
ほどなくして、本番が始まった。Joyfulenceはトップバッターだ。司会からの紹介があり、Joyfulenceがステージに上がる。
凛果「みなさーん!こんにちは!」
Joyfulence「「Joyfulenceでーす!!」」
観客「「わー!!」」
私が想定していたより、Joyfulence目当てのお客さんの数は多そうだ。
凛果「
千翼「
桃莉「
奈々「
千翼「今日はここ、ボナンサ風之江プラザが、これからずっとお客さんに愛されるお店でいられるように応援しにきたよ!」
凛果「それではさっそく聞いてください、『ペンライト』!」
4人のパフォーマンスが始まった。驚いた。2週間前に見た時と比べてさらに光り輝いていた。私には4人が恒星のように見えた。
Joyfulence「『Your smile~♪』」
観客「わぁああああ!!!!!」
曲が終わった途端、客席からはものすごい歓声が飛んできた。
Joyfulence「「ありがとうございました!!」」
凛果「この後のステージも、お楽しみください!」
4人がステージを降りて戻ってくる。
凛果「……」
奈々「……すごい……」
「お疲れ様です……!すごく、すごく良いステージでした。」
涙が出そうになった。私の夢までも、叶ったような気がした。
千翼「お客さんたちのパワーに、押しつぶされそうだったよ。」
桃莉「すごかった、歓声も、眼差しも、全部、全部すごかった。」
凛果「……これが、アイドルなんだね。ようやくスタート地点に立てたような気がする。エイチフェスでは、絶対に一番良いパフォーマンスをしよう。それまでの私たちの中で、最高に良いパフォーマンス!」
開店記念イベントは大盛況で幕を閉じた。
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