第32話『友達になろう 4』
3人でカレー屋さんにやってきた
れいむ「間違われちゃったんだよ。トゥイエンの掃除のアルバイトしてたんだけど、出勤してきたらオーディション受ける子だと思われた。そのまま、ズルズル。」
れいむ「圧がすごかったんだよぉ。違うんです私!とか言えるタイプじゃないんでねぇ。」
ヒカリ「でも歌とダンスが好きなんだろ?チャンスだと思ったんじゃないのか?」
れいむ「……そうなのかもねぇ。……うん、そうだと思うよ。」
ヒカリ「っていうか、れいむが歌もダンスも好きとか意外だな。なんか動画とかないの、歌ったり踊ったりしてるやつ。」
れいむ「……あるよぉ。鋭いね~。」
れいむが昨夜見ていた動画を、小さく音を出して2人に見せる。楽しそうに歌って踊る3人の女子中学生。
ヒカリ「楽しそうじゃんか!」
佑巴「……これが、れいむ?」
れいむ「そう、これが私。」
佑巴「楽しそうにしてる。」
ヒカリ「やっぱり大好きなんだな、歌もダンスも。」
れいむ「そうなのかもねぇ。」
ヒカリ「あれ、でもこれって……」
れいむ「うん、そ。まぁ、そっとしといて。私だってびっくりしてるんだから。」
佑巴「え、何?知ってる人?」
れいむ「まぁまぁいいよ。2人は?なんか見せてよ。」
ヒカリ「えー。じゃあ、私はカラオケに行ったやつ。
ヒカリがスマホを2人の耳元に近づけて音も聞かせる。
れいむ「やっぱり上手いねぇ、2人とも。」
佑巴「……歌が好きって、伝わってきた。」
れいむ「ね~。」
ヒカリ「佑巴は?」
佑巴「うーん……」
佑巴は5年ほど前の佑巴が通うダンススクールの発表会の映像を見せた。
佑巴「
れいむ「へぇ。……佑巴ちゃん、楽しそうにしてるじゃん。」
佑巴「うん。」
ヒカリ「こんなに笑えるんだな!?」
佑巴「踊ってるときは笑える。」
れいむ「すごく魅力的だね、笑顔の佑巴ちゃん。」
ヒカリ「うん。いい笑顔。DEMUREでもこの笑顔が出せたらいいな。私もれいむも。」
れいむ「好きって気持ちを忘れちゃってたのかしらねぇ、単純に。」
佑巴「……」
ヒカリ「佑巴もそう思うか?」
佑巴「……ダンスは好き。けど、歌も一緒にってなると、難しい。」
れいむ「たしかにねぇ。」
ヒカリ「でもなんかさ、お互いのこと少しでも前より知れたから、明日からはちょっと進歩できそうな気がする。」
れいむ「……そういうことだね。私たち、もっと話すべきだったのかな。ほら、歌もダンスも、バラバラだと下手くそに見える。いくら一人一人が上手でも。」
佑巴「……そんな簡単なことで?」
ヒカリ「そりゃ赤の他人とやるより、友達とやる方が息は合うに決まってるよな。友達になろ、れいむ、佑巴。」
れいむ「そうですね。仲良くしてくださいな、お姉さんとも。」
佑巴は
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