第172話 レベル400?
「リヴァイアサンを作る……。そっちの方が時間かからないか?」
「じゃああなたがレベル400くらいの野生のリヴァイアサンを倒す方が早いの?」
「……すまん。そんなに強いとは思わなかった」
レベル400ってなんだよ……。
そんなの一色虹一だって倒せないんじゃないか?
「とはいってもシーサーペントを進化させるまで育てるのに時間が掛かるのは事実よ。現にそこまでの労力を使うのは無駄だって判断して今まで進化させるまで育てた例はないし。そもそも取得経験値の多いモンスターが湧くフロアにはリスクもあるの」
「取得経験値が多いって事はそれだけ強いモンスターがいるって事だもんな。それで進化まではどれくらいの時間が掛かるかもしれないんだ?」
「あなたが倒したような個体なら2……いいえ、3ヶ月以上は掛かると思うわ」
「それじゃ間に合わないっ!」
椿紅姉さんの事を考えれば流石にそこまで時間は掛けられない。
こんなに時間が 掛かるのなら一旦エクスと交渉して対暑さスキルを持ってる探索者を連れていくしか……。
「あんまり大きな声出さないでって……」
「でもそんなに時間が掛かるなら俺がここに来た意味が……」
「時間が掛かるのは普通の……レベルが低めの個体だからよ。当たり前だけど最初からレベルの高い個体ならそんなに時間は掛からない」
「進化直前の個体がいるのか? その……あんたの集落には」
「どうかしら。でも大きさも迫力も私が使役してたシーサーペントよりは遥かに上の個体がいるのは確かよ」
「あんたならその個体を貰えるのか?」
「貰うというより、説得して借りるって方が正しいわ。あと、そのあんたっていうの止めなさいよ」
「だって名前を知らないからさ……」
「メアよ。それが私の名前」
「メア……頼む、俺はどうしても、一刻も早く……」
「分かってるわよ! あーもう鬱陶しい」
俺が両手ん合わせて懇願するとメアは顔を背けた。
少し顔が赤く見えたが名前を呼ばれたのが恥ずかしかったのだろうか?
「ありがとう。頼りにしてる」
「っ! 私はあんた……輝明を早く帰したいだけなんだから! お礼とかそんなのを受け取る義理はないわ」
「輝明……。それ俺の名前……」
「そっちが名前呼びしてるんだから私だって名前呼びしたって問題ないでしょ?」
「ああ。よろしく頼――」
ぐぅ。
その時俺の腹の音が低く響いた。
そういえば眠ってたせいで食事がとれてなかったっけ。
「まったく。さっきまであんなに仰々しい顔してたのに……」
「気が抜けたから腹も減ったのかもしれないな。ははは」
「はぁ、ちょっと待ってなさい」
そう言うとメアはアイテム欄から何かを取り出した。
ちょっと嫌な予感がするんだが……。
「ほら、シーサーペントの肉よ。あの2人が残してた部位なんだけど本当はここが1番美味しいのよね」
「……生で食うのか」
「当たり前じゃない。それが1番美味しいんだから」
どの亜人も生肉が好みなんだな。
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