第48話 シルバースライム

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 経験値稼ぎデータ


■ダンジョン【スライム】

40階層

・レッドメタルスライム×10

・ミニドラゴンスライム×10

・スルースライム複数

経験値約37000

レベル48→51

魔石ドロップ3


獲得スキルポイント8+6

獲得ジョブポイント12+8


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「ドロップ率悪いな」


 俺は40階層に進むと、30分のリスポーン時間だけ休むようにしてミニドラゴンスライムを狩っていた。

 しかし、目標の魔石10個はなかなか集まらず、かなり苦戦を強いられている。

 モン●ンのレア素材を集める為に子供の時寝ずに周回していたのを思い出す。


 ただそのおかげで俺のレベルはいいペースで上がっている。

 また、50~51でのステータスの伸びは今までの倍近くあったのは衝撃だった。

 レベルが上がり辛くなっている分、ステータスの伸びも大きく設定されているようだ。


 もっと上のレベルになればレベル1の差だけでかなり強さが異なるんじゃないか?


「ごがぁっ!」

「来たか、八つ当たり専用ドラゴンスライム」


 俺はメモ帳をしまい、≪透視≫を発動した。


 桜井さんと2人の時は間違いなくこいつは強敵だった。

 だが、今は≪透視≫のスキルレベルも攻撃力も上がり、注意すべき点は電気の塊に触れて麻痺になってしまわないようにする。という点のみとなっていた。


「『瞬脚』」

「ごがあ!?」


 俺はミニドラゴンスライムに飛び上がられるとストレスになるのでまず、『瞬脚』で背後をとり、左手でその身体を掴み地面に押し当てた。


 羽をはためかせなんとか逃げ出そうとするミニドラゴンスライムの力は強く、思わず手を離してしまいそうになるが、その前に俺は右手で構えていた、ジャマハダルで翼を切り落とす。


「ごがぁっ!」


 ミニドラゴンスライムは悲鳴を上げるが、俺はそんなことを気にせずもう片方の翼も切り落としにかかる。

 するとミニドラゴンスライムは口に炎を溜め吐き出そうとした。


 だが俺はそれさえも無視してもう片方の翼を切り落とした。


「ごふぁああぁああ」

「『瞬脚』」


 本当は俺に向かって炎を吐きたかったのだろうが、翼がもがれた事で上手くこちらを向けず、無駄に炎を吐き出すミニドラゴンスライム。

 俺は『瞬脚』で一度距離をとって念の為、炎を吐き終わるまで待つ。


「ごぁあぁああ」


 危機感を感じたミニドラゴンスライムは自分の身を守る為なのか場を霧状態にし始めた。

 だが、翼を失い機動力が無くなってしまった上にレベルの上がった≪透視≫で赤い点をしっかり捉えられる今それは殆ど意味がない。


 霧を吐き、余裕を取り戻しいたのかゆっくりその場から離れようとするミニドラゴンスライム。

 しかし、その油断が命とり。

 俺はジャマハダルをミニドラゴンスライムの急所がある眉間に向かって思い切りぶん投げた。


 ジャマハダルは見事に急所を刺し、会心の一撃エフェクトを発生させた。

 ミニドラゴンスライムのHPはここまでで3分の1程度まで削れた。


 今までであればここまで削るのにもっと時間がかかっていたが……。

 やはりレベルアップの恩恵は大きい。


「ごがぁあああぁぁああ!!」


 ミニドラゴンスライムは、大きな声で鳴き、スルースライムを8匹呼び出した。そして、その身体にはレッドメタルスライムを表す黒い点。


「これを待ってた」


 俺は一先ずスルースライムを簡単に処理すると、ミニドラゴンスライムに近づいた。

 ここまでダメージを負うと、ミニドラゴンスライムはスキルを殆ど使わなくなる傾向にある。

 使っても威力は激減し、恐れるほどじゃない。


「ご、ごがぁあああ!」


 ミニドラゴンスライムは身体にジャマハダルが突き刺さったまま俺に向けて炎を吐いた。

 炎は範囲が狭くなっていて、『瞬脚』を使わずとも簡単に避ける事が出来た。

 俺は炎を躱し、すかさずジャマハダルを抜き取ると、面倒だが素手で、HPを削り、中にいるやつを引きずりだそうとする。


「この作業地味に大変なんだよな。一思いに倒せたら楽なのに」


 素手でミニドラゴンスライムを殴っていると遂に黒い点が移動し始めた。

 俺はその移動先にしっかりと先回りし、待つ。

 ちなみにここまで来るとミニドラゴンスライムはもうほとんど動かない。


「やっとでたかレッドメタルスラ……色が違うな」


 俺の目の前に現れたのはいつものレッドメタルスライムではなく銀色の身体を持つスライムだった。


「シルバースライム。そういえばジャマハダルの進化に必要な……」

「きゅっ!」


 恐ろしい速さで逃げ出すシルバースライム。

 俺は慌てて『瞬脚』を使いそれを追う。


「悪いな。経験値豊富なお前みたいなモンスターが、俺は一番得意なんだ」

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