閑話休題



 「そうしてついに先日、人の子は試練を終えたというわけだ」


 「まあまあ。見事としか言えないわね、その人の子には」


 「う……む。まあ、そうなんだが」


 「親心は複雑というやつかしら? ……ところで、声も出せずに笑い転げているそこの男に代わって聞きたいのだけれど」


 「待て、何も言うな。聞くな。頼む、ヴェネト」


 「あなた、なんでそんな度肝を抜かれるようなビックリ魔人の格好なんかで、人の子の前に出たの?」


 「聞いてくれるなというのにッ……! グリティス老にこのままの姿では威厳がないと言われたからだ! さあ、次はお前だぞヴェネト!」


 「ええ、そうね。この前女子会で話題になった、あの話でもしましょうか」


 「ちょ……ちょっと、待ってくれ……俺の腹筋が復活するまで……ブファッ!」



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