良いスキルだと思うけど?
ステータスの成長度だけでいえばレグルス王子の方が良かったと言えるが、近接戦闘に必要な力の成長が最低だった。だったら魔法成長度が高いので、高火力砲台として訓練しようにも攻撃魔法の適正が無しと来たもんだ。
完全な神官系の後方支援の回復要員のステータスだった。女性なら聖女と崇められてもおかしくない、かなり良いスキル&ステータスではあったが、王族として前線で剣を振れる様なステータスでは無かった。
それに比べて、スピカ王女は真逆であった。なんと言っても、攻撃スキル、攻撃魔法の効果が10倍は強力過ぎるだろう。しかも【姫騎士の資格】で剣技スキルも覚え易いのと力も成長度が1番高い。間違いなく近接戦闘のスペシャリストになるだろう。
シオンと父親のグランは時間になっても儀式の間から出て来ない双子を心配し、部屋まで迎えに行った所でこの現状に遭遇したのだった。
「う~ん………私は凄く良いスキルとステータスだと思うけどな~?」
耐久とスピードも高いし、シーフの職種で短剣の連続攻撃なんて強そうだよ?しかも回復魔法も使い放題じゃん!力はバフ……支援魔法で増強すれば良いしね。
「………もう俺は終わりだ。スピカ、後は頼む」
「お兄様………」
すでに悲観して全てを諦めた顔をしているレグルス王子。
「しかし、片方でも素晴らしいスキル持ちで良かった」
お父様が爆弾発言を言った。
「お父様!?」
「いや、変な意味では無くてな。一卵性の双子だとスキルが分散されて、たいした能力が授けられない事が多いんだ」
なるほど。お父様はそれを気にしていたんですね?
「どうやら1人は良いスキル持ちと判明された様だな?」
後ろから声がして振り返るとお父様と同じくらいの年齢の男性が立っていた。お父様が驚いたように口を開いた。
「国王陛下!?どうしてここに!?」
えっ!?王様ですか?双子のお父さんだよね!?
「久しぶりだなグラン。別にたいしたことはない。自分の子供達が心配で来ただけだ」
「少しすれば城にスキル表が送られて行くでしょうに………」
「親心とは計算では測れないものだよ。それより、詳しい状況が知りたい。司祭よ、スキル表をここに!」
司祭様は王様に失礼の無いようにそっとスキル表を手渡した。
「………なるほど。どうやら【次期後継者】はスピカに決まったようだ。レグルス、わかっているな?」
「はい…………」
涙を流しながら項垂れている。
私は何かをいわなきゃと思った所にお父様が王様に言った。
「申し訳ない。まだシオンの儀式がまだなんです。まずシオンの儀式を済ませてもよろしいかな?」
「ああ、先に済ませると良い。こちらも少し話があるからな」
「……先にシオンの儀式の結果についても国王陛下には話しておきたい事があります」
「なに?」
「シオンが言うには、スキルが封印されているそうなのです。もし本当にそうなら相談したい事があります!」
「まて、まだ儀式も済ませていないのにどうしてわかる?しかも封印だと?」
「私もまだ半信半疑なのです。まずはシオンの儀式をさせて下さい」
「ああ、わかった」
グランはシオンに顔を向けると儀式の宝珠の所に行くように促した。
「わかりました」
シオンが宝珠に触ると部屋全体が光に包まれた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「今後はどういう職種に育てようか悩む……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます