第6話「魔術の特訓」
『じゃあ、あの二人はよくいじめてくるのか…』
「うん」
何とか誤解を解くことでできた俺はあの時やってきていた二人を聞いていた
あの二人はミリアティちゃんとは同年代の村の子供で彼らを中心になっているらしい
だが魔術が使えないミリアティは恰好の的でいじめの標的になってしまったのだろう
『ちなみに…このこと、師匠は知ってる?』
「うん…知っているよ」
マジか…大丈夫だろうか……?
………あの子供たちが
俺でも耐えられず、あのワルg…あの二人に丁寧に説得をしたのに
あの孫が大好きな師匠がまたいじめられたと聞くと復讐で大変なことが起きるのではなかろうか…
うん…ひとまず内緒にしよう…
『それにしても広い場所だなぁ』
「はい! 私のお気に入りの場所なんですよ」
こんなところで寝っ転がってのんびりするの気持ちがいいだろうな…今、本だけど…
まてまて…目的を忘れちゃいけないな
『じゃあ魔術の練習をやろうっか』
「はい! お願いします!!」
だが現状、俺にできることは応援と周防氏ばかりの手助けぐらいになるだろう
俺自身も魔術を覚えたばかりで教えることなんて多くない
でも彼女が俺を持っていると魔術の成功率が高くなるみたいだから現状、俺がいることは必須になっている。
「それじゃあ、足が速くなる基礎魔術を行きます」
『わかった…』
彼女は目をつむって、意識を《集中》させる、まずは魔術の最初のステップだ
【早く…さらに疾く…我が健脚に加護あれ】
《詠唱》を始める、魔術の第二ステップ
そして次の《構築》の段階で俺はミリアティちゃんが足を速くなるイメージをする。
次の瞬間、彼女の足が白く光る。
「やった!!」
どうやら魔術が上手く発動できたのである…
『どれぐらいか試してみないか?』
「う、うん、せーの、わっ!!」
今のは脚力を強化する魔術らしく、ミリアティちゃんは軽くステップしただけなのだろうが、子供の足では飛ぶことのできない長い距離を飛んでいてびっくりしていた。
『うまくできたな!』
「はい! 次!! 次の魔術もやってみましょう!!」
魔術が使えることがうれしいみたいで次々と魔術を試したがる。
魔術の基本は3つ《集中》《詠唱》《構築》
魔術を発動するためには必要な事になる。
ミリアティちゃんは構築ができず、それが原因になっている
だから代わりに俺が魔術の構築つまりは魔術のイメージすれば行けるみたいだ。
【我は強く…我が腕を…力強くありたまえ】
【暗い闇に…明かりを灯さん】
次々と魔術を発動していく、どれも問題なくできていた
基礎魔術はイメージがしやすく簡単な魔術だから発動は容易にできた。
「次は4大魔術…緑の魔術、風を起こす魔術を使ってみます」
『わかった…大丈夫?』
「はい…」
4大魔術は火、水、風、地の四つ属性の司る魔術らしい
ミリアティちゃんは先程と同じように集中して詠唱する。
【緑よ…音を裂く風を…鳴り響け】
彼女が詠唱を唱え終わってから、俺は風が出ているイメージをする。
そして目の前で緑色の光が現れていき…
そして…そのままはじけるように消えていった。
「あ…」
魔術が失敗したのだろう…
『ごめん…上手くできなかったみたいで』
「…ううん、そんなことないですよ」
ミリアティちゃんはショックを受けながらもこちらに笑いかけてくる
このように上手くイメージできない魔術は失敗する。
しかも彼女には4大魔術の適性がないのも原因の一つとなっている。
やっと魔法が使えるようになったのに…これはきつい…
『大丈夫?』
「…大丈夫です!! 次の魔術も練習しましょう!!」
ミリアティちゃんは気を取り直して、どんどん魔術の練習をつづけていった。
凄いやる気だ…俺も負けてられない!!
彼女の練習を引き続き協力していくのであった……
……本当に倒れるまでやらないよね…?
◇◆◇◆◇
あの後も練習を続けて、練習を始めて、時間がたっていた
『ちょっと休憩にしないか』
「ふぅ…わかりました」
基礎魔術は全部うまくいった(俺を使用して)
が…4大魔術はどれもうまくいかなかった。
彼女の体質のせいだったしても、俺のイメージ不足だな…もっと勉強しないと…
「さっきの魔術が失敗のは…」
ミリアティちゃんは休憩中なのに地面に文字を書いて、魔術のおさらいしていた
凄い集中力だ…よほど魔術の事が好きなのだろう。
しかし、自身の体質sのせいで辛いことがあるのに、どうして魔術の事が好きなのか気になってくる。
『ミリアティちゃん、ちょっといいかな?』
「……あ、はい!! なんでしょう?」
『えーと…魔術覚えるのはつらくないの?』
「え? 大丈夫ですよ」
「その…嫌いになったりとかは…」
「絶対にないです!!」
おおう、にべもなく即答だ。
『そっか…そんなに魔術が好きなんだね』
「はい!!」
『どうして魔術が好きなのか聞いてもいい?』
「それはもちろん…」
ミリアティちゃんは大きく手を広げて
「おじいちゃんを超えるため!!」
後ろでドーーンと音が鳴りそうくらい勢いのあるポーズをした。
『師匠を超えるため?』
「うん、そう!!」
『……師匠ってすごい人なの?』
「えっ…魔導書さん知らなかったの?」
いや…ここ最近は魔術についてとかこの世界の事について聞いてただけなんだよな…
二人以外の魔術師を見たことがないから違いも分からないし…
「おじいちゃんは賢者と呼ばれていて、国に仕えていたんだって」
『国に?』
「一番強かったって聞いていますよ」
『じゃあ国で一番強かったということ?』
「おじいちゃんはそう言ってましたよ」
自分で言っていたのかよ…孫にいいとこ見せようと言ったんじゃ…ないよな?
『ん? つまりミリアティちゃんはそれ以上になりたいということだよね?』
「はい!!」
……国一番より上かぁーなんだろ世界で一番とかかな?
スケールデカすぎて想像もつかないな。
『つまり師匠以上に魔術が上手くなりたいという事なんだよね』
「それだけじゃないですよ」
『ん?』
「おじいちゃんのようにみんなを笑顔にしたいんです」
『みんなを…笑顔に?』
「はい…魔術ってすごいんです、色んなことができて、すごく便利で、かっこよくて! 特におじいちゃんの魔術はきれいで輝いていて…見ていて楽しくなっちゃうんです!!」
『…そうなんだ』
「はい、魔術ってなんでも叶うから夢のようですよね!」
そっか…だからこんなに魔術が好きで覚えていきたいんだな…彼女のここまであきらめずに練習を続けていっているのもうなづける。
師匠に頼まれたからと言うのもあるけど…俺は純粋にこの子を応援したい気持ちになる。
『よし…じゃあもっと練習して魔術を使えるようになっていこう!!』
「魔導書さん…はい!!」
俺たちは休憩後もより魔術を練習をしていくのであった……
しかし師匠が賢者だったか…少し気になるな…また聞いてみよう。
___________
どうもです~九太郎です~
ここまで見ていただきありがとうございます、明日も18時に投稿いたしますのでよろしくお願いします!
それとあとがきで用語紹介もしていきたいので次回も最後までご覧いただけると助かります。
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