第150話


「まやちゃん──好き……大好き……」



 ……なんで、そんな悲しそうに告白するの。


「俺、うぬぼれちゃうから……変な期待、しちゃうから……。俺だって、傷つくんだよ……まやちゃんのこと、本気だから……。だから、俺が嬉しくなることばっかり言わないでよ……。まやちゃんは俺のこと好きじゃないんだって思うと虚しくなる」


 私は、いつも神永君を傷つけてきた。


 いつも私の言葉で、行動で一喜一憂する彼に構ってあげたくなっちゃうのは、彼にとっても迷惑だったのかな。


「じゃあ、もう──」

「やめないでね!!!!?」



 ……おい!!

 矛盾してるぞ!!



「ごめんね……。俺が言いたいのはこんなことじゃないんだよ……」


 神永君が私の頬をなでて、優しく抱きしめる。




 ……今までに何度、神永君に抱きしめられただろう。


 ドキドキして


 心臓が痛くなって


 体が熱くなって



 ……だけど、とても落ちつく。



「絶対、守るから……幸せに、するから……」



 彼の言葉にいつだって胸が締め付けられて、涙が出そうになる。



「俺と、付き合ってください──」





 ──いつから神永君は、私の特別になってたんだろう。





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