新たなイケメン
第120話
「まーやーちゃん!」
HRが終わったと同時にドアが開いて、顔を見せる神永君。
「何で来た」
ため息をついて睨むように彼を見上げたのに、当の本人はヘラっと笑って
「お見送り~」
と言った。
……いや、必要ないな。
「麻井さん、委員会……」
話かけてきた同じ委員会の森君。そんな彼に私は軽く返事をして席を立つ。
だけど、神永君は──
「え!!委員会って、男と二人!!?」
と森君の言葉に反応する。
「……二人っていうか……クラスから二人ずつ出るから他のクラスの人もいるけど」
そう言っても納得しないみたいだ。
頭を抱えてショックを受けた顔をするけど、君のクラスも同じだよ?今まで委員会何してたわけ?
「俺じゃない男と一緒に委員会!?ちょっと待って無理!!」
「お前が無理」
お前は私の何だよ。
キッと目を森君に向けると
「お前がまやちゃんと一緒の委員会の男!?」
イケメンが怒った顔で詰め寄るのは意外と迫力がある。
「え、そうです、けど……」
少しビビっている森君を下から上まで舐めるように見ると
「無駄に爽やか!!はい却下!!俺が代わりに出るから帰ってよし!!」
そう言うとドアの方向へ指さして「はい、さようなら!!」と追い出そうとする。
「いやマジでどっかいけよお前」
そう言って彼に「はい、さようなら」と全く同じ動作をすると、青ざめた顔で私の肩を両手でつかみ揺さぶる神永君。
「いやだあああ!!ごめんなさい!!」
半ベソをかいている神永君に再びため息をついて
「神永君、耳かして」
そう言うと
「まやちゃんのためなら、耳でも口でも鼻でも貸します!!!!!」
と訳のわからないことを言う彼。
それを無視して
「私は、神永君の方が爽やかだしイケメンだと思うけど??」
と耳打ちする。
するとみるみるうちに顔を真っ赤にさせる彼。
……よっしゃ、勝った。
「だから安心してね~」
心の中でガッツポーズをして、固まってる神永君をよそに森君と教室を出た。
……こんなありきたりな褒め言葉なんて、普段から言われ慣れてるだろうに。
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