第116話


 ──陸。


 私にとって陸は人生の一部で、なくてはならない存在なの。


 


 ……いつか、陸よりももっと大切な人ができたら。


 一生添い遂げたいと思える人ができたら。



 一番に、陸に紹介するよ。



「──りくはおとなになったら、まやとけっこんする!!」


「うん!まやも!」




 ――そんな幼い日の約束、覚えてる??


 その約束、守れないかもしれない。




 だからもし、陸じゃない人と結婚する時が来たら、私のウエディングドレス姿は未来の旦那さんよりも先に陸に見せるって決めてるの。



 ──ねえ、陸。

 神永君と話してる時泣きそうだった?



 ずっと一緒にいたからわかるよ。


 泣きそうに震える声も


 強がってる表情も



 陸が私の表情の変化に気付けるみたいに


 私だって全部、わかっちゃうんだよ。




 陸、ありがとう。



 いつも守ってくれて


 私の幸せを願ってくれて


 大切に、してくれて──




 やっぱり陸は、私のヒーローだね。

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