私のヒーロー

第115話



 ――俺は、マヤの幸せが一番なんだ。





 私は体育座りをして膝に顔をうずめる。



 朝、私が話をしたときから何かを決心したような顔をしていた陸。


 ……何かある。


 そう思って、放課後問いただすために陸の教室へ行こうとした。



 すると、ちょうど出てきたあいつ。



 でもその進む方向は靴箱の方ではなくて、思わず、後をつけると陸は7組へ。



 出てきたと思ったら、その後ろにいたのは神永君で。



 ……まさか、喧嘩??


 なんて焦ってここまでついて来てしまったけど──そんな心配なんて無用だったみたいだ。



 二人の話を聞いちゃいけないと思うけど、その場から動くことはできなかった。


 屋上のドアに寄りかかって座り込む私。



 声を出さずに泣くのは本当に、難しいね。



 ……ありがとう。


 私に好きな人ができたらいつも相談に乗ってくれて


 頼りになるような、ならないようなアドバイスもくれて。



 彼氏に浮気されたら本気で怒ってくれて



 振られたら泣き止むまでずっと一緒にいてくれて



 プレゼント選びは文句を言いながらも絶対付き合ってくれて


 友だちと喧嘩したら黙って話を聞いてくれて



 雷が鳴ったら、怖がる私を心配して駆け付けてくれたよね。

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