この代償は大きいんだから

「桃、5000円」

 僕は妹である桃に手のひらを差し向けた。こんな感じで僕たちは部屋の真ん中において、正座で向かい合い、重要な話し合いをしているところだ。

 ところが彼女はツンとした目をしたまま、真顔をまったく崩さない。

「何でノーリアクションなんだよ。俺のドローンを壊しただろう」


「5000円なんて払えない」

「お金がないならバイトしろ」


「アンタにそんなこと言う権利があると思ってるの!?」

 急に桃は感情を吐き出すように言葉をぶつけてきた。僕は面食らうあまり、ちょっとのけぞってしまった。

「何で逆ギレなんだよ?」

 僕は桃に面食らった。


「私が何でアンタのドローンを捕まえて、ぶっ壊したかわかる?」

 唐突な問いに、僕は答えに窮した。


「答えられないのも当然ね。だってそのドローン、学校のプールの女子更衣室を漂っていたんだから」

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