第87話 雨の日はのんびり過ごそう2
スイッチを入れたら、お皿に白玉が出るように出来ると良いんだけど、どうだろうなぁ。
白玉粉とお水は青の魔石で良いかな。それとお湯で茹でるから赤の魔石と青の魔石、白玉を冷やす為の青の魔石。
上に白玉粉を入れる所を準備して、下から白玉が5個コロンと出てお皿に盛りつけられると良いよね。かき氷機と同じで下にお皿を入れる場所を作れば良いかな。
錬金釜に木材を入れて魔力を流す。かき氷機的な感じだけど、これでちゃんと出来たら他のおやつとかも出来ちゃうかな?
かき氷機みたいな形が出来たら、魔石を貼り付けていこう。氷を入れていた所には白玉粉を入れる。そこに青の魔石(中)を貼り付ける。
真ん中あたりに赤の魔石(中)と青の魔石(中)を貼り付けよう。それから下の方に青の魔石(中)を貼り付ける。これで冷やされた白玉が出る、と良いな。
貼り付けられたら錬金釜に入れて魔力を流そう。蓋の上に×マークが出ないから出来るかな?
チーン!
錬金釜の蓋を開けてみると、一応魔石が消えているから完成しているみたいだ。鑑定してみると、白玉製造機(?)と書いてある。?マークを良く見てみると、青の魔石が足りなくて茹で足りないと書いてある。
『どうした?』
「うん。青の魔石が足りなくてまだダメなのだって。茹で足りないって書いてある」
『ほう、そんな事まで分かるようになったのか』
「うん、そうみたい。鑑定さんのお陰で助かるね~」
『鑑定スキルってそんなだったか?』
「さあ? でも、助かるから良いと思う!」
もう1つ青の魔石(中)を貼り付けて錬金釜に入れて魔力を流すと完成した。鑑定してみると、白玉製造機と書いてある。これは出来たんじゃない!?
「ヴァイス。出来た気がするよ!」
『よし、作ってみろ。味見してやるぞ!』
「ふふっ。ちょっと待っててね」
ワクワクしているヴァイスのしっぽの揺れが物凄い。顔は普通の表情なのに、しっぽだけすごくぶんぶん振られていて可愛すぎるっ!
上に白玉粉を入れて蓋を閉める。下にお皿を置いてから横のスイッチを手で触って作動させる。ちょっと待つとコロコロっと白玉が5個出て来た。2人分作ったら、生姜シロップを掛けてぽかぽかマドラーで
温めてからヴァイスの前に置く。
私の分も温めて一緒に食べよう。パクリと白玉を食べると、もちっとした食感が美味しい。
『うむ、旨いっ!』
「白玉製造機良いね~。もちもちの白玉がすぐに出来るなんて幸せ過ぎる! あんことシロップでも食べたいなぁ」
『ふむ。それも旨いのだな!』
「うんっ、美味しいよ~。今度作るね。あっ、小豆がない!」
『あずきとは何だ?』
「あんこは小豆っていうお豆から作られるんだよ」
小豆、食材屋さんにあると良いんだけどなぁ。今度行ってみよう。お餅も食べたい、もち米かぁ……どこかにあるかな。
意外とまだ欲しい食材がありそうだね。色々な所で探してみなきゃ。なかったらどうにか作れないか考えないとだしね。
シロップも多めに作って、アイテムボックスに仕舞っておこう。錬金釜の蓋を閉めてちょっと魔力を流しただけで生姜シロップが大量に出来るんだよね~。錬金術(省略)スキルさん、今日も素敵です!
今日は雨でお店をお休みにしたので、ゆっくりご飯を作って食べられるね。ヴァイスと一緒にお酒を飲もうかな。
今日のおつまみは何が良いかな~。お魚があるし、サンガ焼きを作ろうかな。後は何が良いかアイテムボックスの中身を見ながら考える。イカがあるから、イカの塩辛が作りたいかな。
イカの塩辛は本当だったら数日かかるのだけど、錬金釜さんがあればきっとすぐに出来るはず!
イカを取り出して捌くと、ボウルにワタ、塩、身を入れて錬金棒で混ぜる。混ぜてから錬金釜にボウルを入れて蓋を閉めて魔力を流すと、イカの塩辛のかーんせーいっ!
『カノン、それはなんだ?』
「これはイカのワタも使ったイカの塩辛だよ。日本酒とかに合うんだよ!」
『何っ! カノン、飲むぞっ!』
「ふふっ。でも、まだお料理を作っていないから、もう少し待ってね」
サンガ焼きは魚の身を叩いて味噌と混ぜた物を焼くんだよね。生で食べるなめろうも焼いたのもどっちも美味しいんだよね。
後は、ヴァイスはお肉も好きだから、豚肉で角煮を作ろうかな。これも錬金術を使ったらすぐに出来そうだよね!
またヴァイスに錬金術を便利扱いしてるって突っ込まれそうだけど、ヴァイスも美味しく食べるのだから文句は言っちゃダメなのよ?
ボウルに切った豚バラ肉と調味料を入れたら、錬金棒でくるくるっと混ぜてから錬金釜に入れて美味しく仕上げる。
後はさっぱりとトマトのサラダにしようかな。ご飯は焼きおにぎりを作って、お出汁を掛けて食べようかなぁ。締めにも良さそうだよね。
私は今日は何を飲もうかな。アイテムボックスの中のお酒を見ながら考える。フルーツが色々あるのを見て思い付いた。
「あっ! 日本酒でサングリアにしようっ!」
『どうした?』
「ふふっ。今日の夜に飲むお酒を考えてたの」
『良いのが見つかったのか?』
「うんっ。すぐに作るからちょっと待っててね」
本当は漬け込む時間が必要だけど、錬金術を使ったらすぐに出来ちゃうよね。日本酒にフルーツを色々入れて錬金釜に入れて魔力を流す。すぐに出来上がりを知らせてくれたので、蓋を開けて確認してみると、透明だった日本酒にフルーツの色が出て薄っすら色付いている。
「ふふっ、美味しそうに出来たっ!」
『それがカノンの飲むお酒か?』
「うん。本当はサングリアはワインで作るんだけど、今日はヴァイスが日本酒を飲むから日本酒で作ってみたんだよ~」
『ふむ。我も味見するぞ』
ヴァイスにも少し味見に入れて、他の日本酒も出しておいた。テーブルにお料理も沢山並べて一緒に食べ始める。
『フルーツの香りと味がしてこれも旨いな。だが、我はもっとキリっとしたのが飲みたいぞ』
「ヴァイスには辛口の日本酒が合うかもしれないね」
『うむ、これは良いぞ! 我はこの日本酒が好きだぞ』
やっぱりヴァイスは辛口が好きみたいだ。初めて食べる塩辛にびっくりしてたり、サンガ焼きを食べてお酒が進んだりでヴァイスは結構飲んでいる。大丈夫かな?
私は日本酒のサングリアがフルーティーで美味しい。角煮とかも美味しく食べて、ついついお酒も進んでしまった。そろそろ締めの焼きおにぎりを出汁茶漬けにして食べよう。
『カノンっ! これ旨いぞっ!』
「焼きおにぎりはそのままでも美味しいし、出汁茶漬けにしても美味しいよね~。はぁ、幸せ~」
大分酔っぱらった気がするけれど、ヴァイスにすりすりして今日はいつも以上に幸せ気分で眠りに就いた。
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