第百六話
「という事で貴方達には冒険者になってもらうわ!」
「「「ええ〜?!」」」
という事でミラノワの冒険者ギルド本部にやって来ましたリュートです
何故こうなった
「…夏休み明けのテストがD級冒険者になってこいなんて…厳しすぎる…」
「ほんと鬼畜だよー…」
夏休み明けそうそうにテストが待ち構えており、なんとD級冒険者になるまで帰ってくるなと指示あった
デジャブだな…
「リュートとルシュはいいよね〜…もう既にA級なんだからさ〜」
「…残念ながら俺たちは別の課題を貰ってるよ」
「…はぁ…」
「何の課題なの?」
「上級ダンジョンの20階層打破する事…だって…」
「…?」
(上級ダンジョンとは何ですか?)
「…A級しか入れない超高難易度ダンジョンだよ、化け物級の魔物がうじゃうじゃいる所さ」
「ひえ〜…僕そんな所怖すぎるよ…」
「お、俺もそれは遠慮したいぞ!!!」
流石のホットもこれには苦笑いして後ずさる
「それで、確か生徒だけじゃ危険だから冒険者の先生が来るはずなのですけど…いませんわね」
そういやそうだったな、冒険者の先生か…一体誰なんだろう?
「はいアリアです」
「イリスだぜ」
「いやなんでだよ」
色々おかしいでしょう、まずもってアリアは冒険者じゃないだろ?!
「アリアは聖騎士団でしょ」
「いや〜A級の冒険者が殆ど居ないみたいで、元A級の私の所にお話がきたんですよ。ちゃんと団長には許可は貰ってますよ?」
「…なるほど…だからイリスもなのか」
「まぁ、私も一応A級だからな〜」
ドヤ顔でこちらを見る
「それに…私達だけじゃないですよ」
「ええ?」
「私に声がかかったということは…」
「もちろん私もいるってことさね」
「ラミダさん!?武器と防具の店は…」
「今日だけ休みにしといたよ、全く…久しぶりに冒険者ギルドからの用事だからなんだと思ったら子守りかいね…」
ラミダさんも元A級冒険者なんだよなぁ…はぁ知り合いばかりだったな…冒険者の先生…
「それじゃ、誰が誰を見るか決めようじゃないか」
「「リュート(様)で!」」
「了解、リュートとルシュ王子は私が見ることにするよ」
「「なんで?!」」
「一応冒険者としての依頼なんだから、私情を持ち込むんじゃないよ。ほら後は2人で決めるんだね」
「「はーい…」」
幸先が不安だなぁ…
…
…
「…ここが上級ダンジョン…!」
巨大な遺跡のようなその場所は、近づくだけで威圧されているような感覚になってしまうぐらいに、体が危険信号を発している危険な場所だ
「油断するんじゃないよ、ここからは常に死と隣り合わせと思っとくんだね」
「はい…!」
「とりあえず…あんた達の実力がどんなものか見させてもらおうじゃないか」
「俺たちならどんな場所でもやれるさ、な?リュート」
「そうだね…やってやろうルシュ」
ダンジョンの中へと入っていく、中は薄暗い…無機質な石壁が永遠と続いている
「おっと早速お出ましのようだよ」
数メートル先にデススネークが5匹ぎゅうぎゅう詰めになりながらこちらに迫ってくる
「気持ち悪?!」
「まるで巨大な蛇の波だな」
「さ、ぼさっとしてると死んじまうよ」
「リュート、せっかくだしあれやろうぜ」
「あれ…ああ…了解。試すには丁度いいね」
「なんだいあれって…」
俺とルシュは隣に並ぶ
「魔力感知・圧縮魔弾」
「炎魔法:炎纏い」
空中に生み出した魔弾をルシュの炎が纏っていく、あれとはルシュと俺の合体魔法
「「激似複合魔法:圧縮炎弾!!」」
炎の弾丸が蛇の波へと放たれる、俺の無属性魔法とルシュの炎魔法があって初めて実現するなんちゃって複合魔法だ
「「スネスネ!!」」
爆音と共にデススネークが爆発し、消えていく
「余裕だったな」
「うん、余裕だね」
「複合魔法…!なるほど、流石は勇者様とそのお仲間って事か。これなら心配は無さそうだね」
ラミダさんは目を鋭くし、まるで獲物を見つけた獣のような表情で俺達を見る
正直デススネークよりラミダさんの方が怖いんだけど…
「…こりゃ楽しめそうさね…」
その後も魔物と戦いながら下へと降りていく
「さ、そっちに行ったよ!」
「うおお!りゃ!」
「…そりゃ!」
「グギ…」
順調に進んでいき、いつの間にか10階層に俺達は挑んでいた
「…ふぅ、予想してたよりは結構簡単だな」
「それはあんた達が化け物だからだよ、並のA級ならここまで来るのに1年はかかるだろうさ」
「なるほど…?」
A級なら余裕そうな敵ばかりだったような気がするけど…
『感覚が麻痺してますね』
そうなのかな〜
「ほら、ボスに挑んで今日中に20階層まで目指すよ」
「よし!最速攻略目指してやるぜ!」
「おー!」
「…ふふ、私の役目は20階層が終わった後…楽しみさね…」
ラミダさんの怪しい笑みに俺達は気づかなかった
…
…
「20階のボスでか?!」
あの後もスムーズに魔物を倒していき、サクサクと20階のボスまで到着した。今目の前に居るのが俺達の目的であるデスギガントゴブリンだ
「名前にギガントが入ってるだけあるなー」
あの魔物化した神父ぐらいあるんじゃ無かろうか?
「よし!気合い入れてやるか、リュート!」
「ああ!行くぞ!」
「ゴオオブウウ!」
ゴブリンが先制攻撃を仕掛けてくる、動きは遅いな…流石に神父よりは強くなさそうだ
「…なら余裕だね!魔力感知・聖剣!」
聖剣で腕に切りかかる
「ゴオオ…」
「なっ!硬い?!」
金属を切った時のような音が響く
「うおお!炎魔法:炎纏い」
大剣に炎を纏わせルシュも切りかかるが傷も火傷もつかない
「なんだこいつ硬すぎるだろ!」
「…スピードは無いが硬さは金属並だな」
どうやって傷をつけたらいいんだよ…
「…さぁ…あんた達ならこれをどう倒すか見ものだね」
上級ダンジョン20階層のボス戦が始まった…
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