第三章 教会襲撃編
第五十七話
俺達がA級になって1年が過ぎ、そして魔王が現れるまで6年を切った。
「リュウ〜そっちに向かってるからよろしく」
「いや俺任せかい!」
俺とイリスはA級クエストのデススネークの討伐をしていた。A級になって1年経った今も俺は冒険者として日々クエストをこなしている。
「全く…ちょっとは体力を削ってくれてもいいのにさ〜」
まぁそんなに強い相手じゃないからいいけど、丁度いい…1年で完成させた新必殺技で倒すか。
「無属性魔法:斬魔刃撃」
俺は短剣に魔力を纏わせ、更にそれを放つ。要するに風刃の様に刃を飛ばせる技だ
「スネッ!」
デススネークの胴体が真っ二つになって転がる、殺傷能力ありすぎて人には使えない技でもある
「相変わらずえげつないね、その魔法」
「まぁね…でも風刃も変わらないでしょ」
「そんなに切れ味良くないよ…コイツなら傷を少しつけるだけで精一杯…なんじゃないかな」
「なるほど…この技は封印しとこう」
ピンチになればすぐ使うけど
「それがいいね、それよりクエスト達成だね!」
イリスが俺に抱きつく、なんか最近スキンシップが激しい様な気がするんだけど気のせいかな。ちょうど顔が胸部分にあるから困るんですが
「もがもが…」
「あっ…暴れないで…」
「ぷはっ…俺何回胸で死にそうになればいいんだよ流石にお腹いっぱいだよ」
「にひひ…ごめんね…?」
「可愛いから許す」
「えへ…そうかな私可愛い?」
「うん、めちゃくちゃ」
「ふふ…そっか…」
この可愛い生き物はあのイリスです。最近は本来のイリスでいる事が多くて、アリアやマリン姉ちゃんにもこの感じで話すようになってる
というかこの会話してると実質的に俺達結婚してるんじゃないかとたまに錯覚するけど…ただの仲間なんだよなぁ…
「そういえば、もう可愛いって言われるの慣れたんだね」
「リュウがすぐからかってくるからね、慣れた」
「そ、そんなにからかったかな…?」
あの反応が可愛くてついついやりすぎちゃったか…反省
「もう、リュウのばか。報酬の分け前私一人で貰うからね」
「そ、それは勘弁してください…」
いずれ来る旅の資金にしたいから貯めてるので…
流石にカツカツ生活の旅はしたくないから
「じゃあ昼飯奢ってくれたら許す」
「ええ…イリスもA級なんだから結構な額貰ってるじゃないか」
「いくらお金があっても自分で払うのと人に奢ってもらうのとじゃあ違うんだよ〜」
口調が変わってもイリス自体は変わって無いな、うん
それがいいけど
「分かった奢るよ」
「やったね!じゃあ速く食べに行こー」
「おっけ」
俺達は昼食を済ませギルドへと戻ったのであった
そういえば最近ステータス確認してなかったな、最早あってないようなもんだし…魔力とか感覚でわかるしな〜…あれ、ステータス要らなくね?
名前 リュート・レギオス
職業 A級冒険者
称号 転生者
適性 光
体力 15000
魔力 40000
力 15000
防御力 20000
速さ 25000
はい俺人を完全にやめております、これは最強を名乗ってもいいと思うんだ。なんせ一般兵士の何十倍ものステータスがあるんだよ?称号に最強と付け加えてくれたってええやん!
称号:転生者・強欲の化身
誰が強欲じゃい!変なもの付け足すなよ!
はぁ…なんか変な称号貰ったし…絶対に人には見せないでおこう
「おかえりリュウ君、どうだった?」
「無事終わったよ」
「それは良かったわ、ご褒美にクレープ買ってあげる」
「わーいマリン姉ちゃん大好き〜」
「お前甘い物の時だけ見た目相応になるよな」
「甘い物には皆無力なのさ」
イリスが何言ってんだコイツと言わんばかりの顔をしてこちらを見ている。今は人が周りにいるので荒々しい口調に戻っている様だ
「ふふ、可愛いわ」
「えへ」
「どんどんマリンにダメ男にされていってるような気がするんだけどな」
「そ、そんな事ないよ!えっ…ないよね」
言いきれないのが怖い、俺…マリン姉ちゃんに堕落させられちゃった…ぐす…
「ふふ、私は構わないわよ?なんならずっと一緒に暮らして養ってあげても…うふふ」
マリン姉ちゃんの意識が遠い所へといっている、マリン姉ちゃんも最近妙に積極的というかアリアと似た何かを感じるな…まさかヤンデ…いや、はは…なわけないか
「リュート様、そろそろお時間です」
「もうそんな時間か、ありがとうアリア」
「あらもう行っちゃうの?泊まって行ってもいいのよ?」
「そうだぞ〜?最近一緒に寝てないし」
「流石に一緒に寝るのは勘弁してください」
1年前より色々とヤバいので
「そう…残念だわ…」
「でも今度必ず泊まりに行くよ」
「本当?嬉しいわ!沢山美味しい物作ってあげるわね!」
「待ってるぜ」
「うん、じゃあねイリス、マリン姉ちゃん」
「おう〜」
「またね」
そうして俺は城に戻りレディッサ先生の元へ向かう
レディッサ先生とはこの1年で更に仲良くなれた気がする。年上は恋愛対象に入るか聞いてこられた時は焦ったけど
「…遅かったじゃねぇか」
「す、すみませんレディッサ先生」
「許さん、お前実験な」
「ひぇ…どうかご慈悲を…」
「水魔法:水流縛り」
「慈悲はないんですね?!」
ギリギリの所で避ける
「ちっ、無駄に強くなりやがって」
「酷い?!」
無駄じゃないもん!
「複合魔法:土水生成」
「うわっ!足元が沼に?!」
「水魔法:水流縛り」
「ちくしょう!複合魔法なんてずるだ!」
「ぐへへ…勝負にずるなんて無いんだよ」
「最低だな?!」
「さぁ…どうやって実験してやろうか」
レディッサ先生が顔を近ずける、見た目は綺麗だからちょっとドキドキするのは内緒
「顔赤くなってんぞ?」
内緒に出来ませんでした
ニヤニヤと笑いながらからかってくる
「先生が綺麗だからですよ」
こちらも負けじとからかう
「な…」
「今度はレディッサ先生が赤くなりましたね」
「う、うるさい!なってない!」
「なってますよ、でも赤くなった姿も綺麗です」
「や、やめろ!もういい分かったから!」
これがレディッサ先生必勝法だ、嘘は言ってないのでいいだろう。
「ぐう…オレがからかわれるなんて…」
「ふふん、俺も成長してるんですよ」
「ぐぬぬ…確かに見た目もだいぶデカくなったもんな」
「ええ、いずれレディッサ先生と身長も追い越すでしょうね」
「リュートがオレよりデカく…ふむ…悪くないな…お姫様抱っことか出来るのだろうか…ぐへへ…」
ぶつぶつと小声で何か言ってる、笑ってるしまた研究の事でも考えてるのかな?相変わらず変態研究者だ
「リュート、絶対オレより背デカくなれよ?ならなかったら薬飲ましてでもデカくさせるからな」
「ええ…強制なんですね…てかその薬絶対副作用とかあるやつですよね」
「多分ないだろ」
「安心できねぇ…」
「うるせ!ほら今日の訓練やるぞ!」
「はーい…」
こうして俺はいつもの日常を送っていた
だが数日後変化が訪れる、そして…俺は俺と向き合う事になったんだ…勇者とは、魔王とは。…戦いがまた始まる。
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