第17話 とある病が邪魔をする
最近、食欲がない。
食べる気がしない。
お腹も空かない。
この三個のワードで『早くも夏バテですか、それでは先が思いやられますね~♪』と密やかに呟く隣のガンプラ好きの宇宙人。
ケロケロケロ……。
ケロロ軍曹好き。
作品は全然手元にはないけど。
クックックッ……。
……て、クルル。
いや、そうじゃない。
今の私は、とある重い病におかされている。
それは真っ赤な太陽の如く、
口内炎なのだ。
しかも、今回は舌にできた。
恐らく、ガムの噛みすぎでなった模様。
もう、私の舌は牛タンじゃないんだよ。
そんなわけで食欲がない。
食べていたら痛くなるからしょうがない。
これでは、飲まず食わずではりつけにされた、あの信者のように日に日に痩せ衰えていくのだろう。
これ以上、痩せてボクサーにでもなるつもりなのだろうか。
それじゃあ、この作品の1話目と同じ展開だ。
もう何もかも諦めて、私に人体模型のバイトをしなさいと……。
──しかし、そんな私の大病も、とある情報を見かけた時、脳が震えてスライムのように飛んだ。
あのゆるふわお笑い系作品である『ごちうさ』の漫画が生まれて10周年になるんだね。
『──ご注文はうさぎですか?』
知らない人が、その表紙を見たらカルチャーショックを受けそうな絵柄。
この人、小学生が好みなヤバいロリですよ。
おまわりさん、捕まえて下さい~‼
……と子供連れのお母さんから通報されそう。
ロリマンガ教師や、ろーきゅうぶ並みにヤバいイラスト。
私は、どっちも持っていませんが。
だから、この作品は周りの人に気付かれないように、人がレジにいないことを確認しながら、その『ごちうさ』の漫画を素早く手に取り、何冊かの本でサンドして持っていく。
待てよ、そんな苦労をする手間を省くために店員さんに取り置きしてもらえばいいのでは?
フフフ、その考えは甘いな。
店員さんも立派な人間なのだよ。
本を買ったのを笑顔で見送り、その店員さんが家で帰った時には、話のネタにされるんだな。
『今日、一見普通に見えたお客さんがロリロリな漫画をどや顔で買っていって、わたし超恥ずかしかったんだよ』みたいな。
だからお店で買う勇気がないなら、ポチりましょう。
ちなみに、ごちうさは、その記念として、夏辺りから新装版の漫画を出したり、リマスターしたアルバムなどを発売したりとぴょんぴょん大忙し。
ごちうさのファンなら、マスクにサングラス、フルフェイスメット(店内でメットは駄目です)と緊急防具をして、闘いに備えよ。
そして、心の底から自分が好きな推しのキャラを思い浮かべ、大声で張り裂けぶほどに叫ぶんだ。
(※よい子は心の中で叫んでね)
逃げちゃ駄目だー!!
逃げちゃ駄目だー!!
逃げていいんだー!!
(オタクは現実逃避のスキルを覚えた)
あれ、趣旨変わってない?
そもそも、口内炎の話じゃなかったかな。
今さらになって、また痛くなってきたよ。
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