第87話わたし、魔法少女になりました そのよんじゅうよん(わたしの意志で自分自身を使っちゃおうと思います)
わたしのことを、こころの底から想ってくれるあんたが大事。
ホントにわたしのことを考えてくれる、あんたが大切。
裏も表もあるけれど、そのどちらからでもわたしを見ていてくれている。
そんなふうにわたしのことを愛してくれるあんたのことを、わたしもおんなじくらい愛しく想う。
おんなじように愛しく思う。
だから、ね。
それは、
それだけ愛しく想えるあんたに向かって、わたしは吐きだしたいことがある。
あんたをこんなにな愛しく想っているからこそ、吐きだしてしまいたいことがある。
わたしのなかでくすぶり続けて、小さく煙をあげている。
モヤモヤしたまま漂って、スッキリできないことがある。
あたまのなかにこびりつき。
むねのなかにつっかえて。
こころのなかにひっかかる。
澄んだ気持ちを濁らせて。
晴れた気分を曇らせる。
だけど、
そんなこと、言葉にしなくていいことだってのはわかってる。
こんなこと、言葉にできないことだってのもわかってる。
だって、それは全部わたしだけのことだから。
ミドリはもちろん悪くなく。
彼女のことなんて関係ない。
誰に訊くこともなく、誰に訊くまでもなく。
答えなんてもうとっくに、わたしのなかで全部でてしまってる。
どんなにわたしが
わたしはそんなことの何ひとつ、どれひとつも
少なくとも、そう思ってないと思えてる。
だって、こんなの全部わたしの気持ちの問題で、わたしの気分次第にすぎないことなんだから。
だから、
これまであった全部のなかで、
これからどんないきかたをしても、
この世界でわたしだけは、わたしのことを誇りに思う。
だからこそ、
誰に言われるまでもなく、誰に言われることもなく。
この世界でわたしだけが、自分自身にしっかり言い聞かせなくちゃいけないことくらい。
それくらい、わたしだってちゃんとわかってる。
だけど、ね。
これは、
わたしのなかに柔らかくふり積もり、頑なにわだかまって
最初が何色だったかもわからない、くろぐろと黒く汚れてしまったものを。
わたしはあんたに、みてほしくてたまらないんだから。
「そうだよね。言っていいことなんて、あるはずないよね。
だって、あんたたちがわたしを魔法少女にしたんだから。
あんたたちの勝手な都合で、わたしを思惑どおりの遣い潰しにしたんだから。
ああ、でも勘違いしないでね。
このことに、
文句なんてひとつもないよ。
ただわたしは好きなだけ、都合よく思ったまんまに自分自身を使い尽くしていくだけだよ。
それともまさかもしかして、
だったら言っちゃいなよ。何を言おうとどんなことを言葉にしようと、
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