大正ロマンシズム ２つの恋の行方

第29話 戦闘モードな異国の二人組

「先日も　東北の蕎麦に鍋を食べる前にも」「いい運動でしたね」

襲い掛かった　大柄な男達を手早く殴り倒してゆく二人

「寝る前だというのに」「これは夜襲ですね　ムッシュ」

「向こうから新手だ」「はいはい」

「死ねええ」ナイフを突き出される

「嫌です　当然ですか」肘鉄の次に　襲い掛かる相手に

片手で身体を支え　横跳びで身体を廻すナジム

一回転すると　

「ぎゃああ」「うわあ」二人の男が吹っ飛ぶ

「ぎゃあ」次にもう一人

足で勢いよく蹴飛ばすジェローム

「うおおお」

「あ、障子を破いてしまった　仕方ない」「ですよねえ」

騒ぎに気がつき店の者達が慌ててやってきた

「何事ですか！」「ああ、この部屋の惨状」

絶句する店の者達

「ふむ・・」

「ああ、すまない盗賊らしい」「あ、あの」

「日本の警察に知り合いが出来たから　そちらに連絡を　ムッシュ横溝

　それとフランスの大使館に連絡を」

「修理代は大使館が持ってくれるから　本当にすまない」

ジェローム

「ごめんなさい」ナジム

「あ・・いえ　お客様　お怪我がなくて　良かったです」

部屋はボロボロになっていた

障子は完全に破壊され　畳のあちらこちらは　穴と破れがある

布団が千切れている

幸い、離れの部屋だが　壁にも大きく穴が開いていた

「あ・・あの」

「あ・・別のお部屋をご用意しますから

しばらくお待ちくださいませ」

「メルシー　有難う」「有難うございます」

にっこりと悪びれもなく微笑む二人

こちらの異国の二人組は　賑やかに　それは楽しく（？）

日本の仕事の旅を満喫しているようだった