第19話 出会いとお弁当と・・

ある日の朝


身支度をして 転校先の学校へ・・


紹介され席につく

教室の同級生たちは 嬉しそうにはしゃぐ ちらちらと有栖を見る


優雅な立ち振る舞い

甘い花の香に優美な立ち振る舞いをする有栖

「なんて優雅で綺麗な方かしら」「・・まあ あの方 とても素敵」


にっこりと笑う有栖

遅れて もう一人の転校生 手毬である


ガラっと大きな音を立て ドアを開く

「も・・申し訳ありません 遅れました」息をきらしながらの挨拶


やはり紹介され 有栖の隣の席へ


「よろしくね うふ」有栖はにっこりと余裕で笑った

「あの・・よろしくお願いします」恥ずかしそうに 手毬が答える


「うふふ」楽しそうに有栖が笑った

「名前は? 私は有栖(ありす)」 「手毬(てまり)です」 


それから昼休み

有栖のお弁当は かなり豪華絢爛である


カニなども入っている お肉のたぐいも 果実も・・

美味しそうに食べている


はぐ、はぐはぐ ご満悦な表情の有栖(ありす)


それに引き換え 手毬のお弁当はかなり質素だが

料理上手な・手毬が頑張って作っただけあって こちらも美味しそう


「その卵焼き 美味しそうね

ほうれん草とかキノコが入っているわ」ありさが声をかける


「あ、え・・食べますか」手毬

そっと差し出すが 手が震えていた 


「豪華なお弁当と違い 置きに召しますかどうか」手毬

胸がどきどきする 気に入らなかったらどうしよう そんな事も考える


「いいの?」有栖


「まあ 有難う 昔、叔母・・いえ、母が作った卵焼きに似ているわ」

「え・・そうなんですか」


「あ、お茶入れてきますね」「あら、ごめんなさい」


お弁当をきっかけに 仲良くなっていった二人

有栖 手毬・・


次の日のお昼ご飯の時間


「私にはね 本当は双子の姉妹がいたの ふふ」


「そうなのですか 有栖様」 「ええ」

「今日のお弁当も美味しそうね 手毬さん」


「あの どうぞ」 「まああ 有難う 私のもどうぞ」

「い・・いえ、そんな」


そんな二人を見ながら 同級生たち

「有栖様と本当に仲が良い事ですこと」「ええ」





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