ヒミツの世界はやおよろず〜神隠しゲームの謎を追え!〜

作者 鉈手ココ

18

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★★★ Excellent!!!


『やおよろず神獣伝』
最近流行りのそのゲームでゲームオーバーになると、行方不明になる――。

そんなウワサが中一の杏奈の耳に入ってくるところから始まるこの物語。
杏奈はちょっと控えめな性格、過去の経験からゲームオタクなところを隠して中学生活を送っていました。
だから彼女は知らないふりしてその場をやり過ごします。
しかし、その日の帰宅後、杏奈が『やおよろず神獣伝』をプレイすると、とんでもないことが……!

とまあこんな感じで、杏奈は日常から神様やオバケのいる非日常に頭から突っ込んでいき、戦う力を身に着け、仲間たちと神隠しを解決する為ゲームの謎を追う、という筋です。

もうこの時点で良くないですか!?
ゲームという日進月歩で進化するテクノロジーの塊、神隠しという古来からのオカルト現象。その二つが重なった瞬間、未体験の領域が覗き見える。夜更けに目覚めると確かに閉めたはずのドアから零れる光を見たような、危険だけど手を伸ばさずにはいられない、そんな蠱惑的なところが本作にはあって、気付くと読破してしまいました。

この魅力は、きっとゲームが伝説と現実の仲立ちとなってユニークで芳醇な作中世界を作り上げていることにあるのではないでしょうか。主人公の杏奈は、勉強は勘頼みで地味な自分にコンプレックスを抱えて、と何とも等身大の中学生。しかし現実で襲い掛かる超常の化け物達を最初こそ恐れるものの「ゲームと同じ」と受け入れてしまいます。いや、そもそもこの世界では伝承でしかない神様やオバケが実在するのだから、ゲームが現実の映し絵となっているわけで、この倒錯、日常と非日常を地続きにしてしまうところがすごい。現実と古き神々がいた頃の伝説を現代の賜物であるゲームが繋ぎ、同じ一つの世界に成立させている。中学生達の地に足着いた人間ドラマと丁々発止の化け物退治のある現実を描いてチープにならず面白い。

なぜこん… 続きを読む