変な光の正体 2

しかし、足下に散らばった写真の残像がいつまでも消えない。


「……駄目だっ!もう寝よう!」


このままでは頭がおかしくなりそうだったので、無理矢理考えるのを止めた。


基本、ウジウジ考えるのは好きじゃない。


明日、考えよう!そして、寝て清々しい朝を迎えようじゃないか!


ザバッと勢いよくバスタブから上がり、体を拭いて雪ちゃんに借りたネグリジェに袖を通した。


「おぉ……」


思ったよりもフリフリで、少し顔が引きつる。


「こんなの着た事ないよ……」


布地質はコットンで柔らかく、触り心地が良い。胸元には一面、レースが縫い付けてあって、袖もそのレース布地で出来ている様だ。アンダーバストの辺りで切り替えが入っていて、クルッと回ると、ひらんと裾がなびく。


その下は、同じコットン布地で作られているカボチャパンツ。裾の所がキュッと絞まっていて、両端にちょこんと小さいリボンが付いている。


まあ、百歩譲ってそれは良いとして……。


「足がめっちゃ出る……」


寒くはないけど、なんだかスースーする。


こんな短いの、はいた事がない。


鏡の前でクルクルと回っていると、


「江奈~?上がったの~?」


と言いながら、雪ちゃんがいきなり脱衣所に入って来た。


「わっ!?……あ、はい。ありがとうございました」


慌ててお辞儀をする。


でも雪ちゃん。返事を待たずに開けるのはどうかと思うよ?まあ、着替え終わっていたから良いけど。


てか、クルクル回ってたの見られたかな。


視線を感じて顔を上げると、雪ちゃんが上から下までじーっと私を見ていた。


「どうかしました……?」


「うん。やっぱり可愛いわね」


笑いながら、うんうんと大きく頷いている。


なぜか、満足気に。


「そ、そうですか?こんな可愛いの着た事ないんで、自分的には凄く違和感が……」


「そぉんな事ないわよ。アンタ色が白いから、凄く似合ってるわ」


「そうですか……?」


なんか照れるな。


でも素直に嬉しい。


「じゃ、アタシも入るから、適当にくつろいでて」


「あ、はい……って、ちょっ、雪ちゃん!今出て行きますからっ!」


まだ私がその場に居るのに、雪ちゃんはさっさかと服を脱ぎ出し始めた。


「あら、女同士だし別に気にしないわよ」


慌てた私を見て、雪ちゃんがクスクスと笑う。


「いやいや!気にして下さいよ!」


全く!変な所が大雑把なんだから!


あと、正確には女同士じゃないし!


私は慌てて脱衣所から出る。


クスクス、と後ろから聞こえる笑い声を遮断する様にドアを閉めた。


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