(三)-2
「あんた、今度こそ絶対に金賞取りなさいよ」
寝ぼけ声ではなかった。きっと僕に何か言いたいことがあり、ウトウトしつつも眠気を押さえてこの時を待っていたのだろう。
「あんたはピアニストにならなきゃいけないの」
何を勝手なことを。僕は生まれて一度もそんなこと望んだことないのに。
「あんたは私の希望なの。私はね、ピアニストになりたかったのよ」
これで何度目だろう。酔っているとよくそう言っていた。だったら何なのだ。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます