(二)-15
そんなコンクールに今年も出ろと、小山田先生は促してきている。僕は先日の東東京市主催のピアノコンクールでも入選できなかったのに。
ちなみにママはこの小山田先生とは仲が悪いようだった。いつも「あの人は腕が悪い、実力がない」「指導力がない」などとこぼしている。決してそんなことはないと僕は思う。
しかし、ママはそう言う割には密に連絡を取っているらしく、コンクールの情報などをよく先生からもらっているらしい。きっと今日か明日にママと顔を合わせると、そのコンクールについて何を弾くか、いつどこで開催されるかなどと僕にあれこれ聞いてくるはずだ。
(続く)
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