(二)-7


 対して詩織は落ち着いた演奏をするタイプで、特に高音域の音色はとても綺麗だ。そんな二人が連弾でコンクールに出ることもある。いつもは性格が違う二人の息がぴったり合うと本当に凄かった。とはいえ、そんな演奏が聴ける機会は、二人の息が会う機会があまりないというのと、連弾のコンクールが数少ないということもあって、今まであまりない。


 そんなピアノ教室仲間は、みんな何かしら受賞歴があった。対して僕は、コンクールに参加したことはあっても、受賞する機会は全くなかった。


(続く)

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