回答③🌰🌰🌰

🌰🌰🌰


「きみだって、僕には特別だよ。きみは、きみにしかない素敵なものを持ってるじゃないか」


「ウソ……」


 またジト目で睨まれた。うーん、信じてもらえない。本心なんだけどなあ。


「恥ずかしいけど、正直に言うよ。きみを初めて見たとき、世の中にはこんなにキレイな子がいるのかって、驚いたんだ。その気持ちは今も変わらないよ」


「ウソ……だって関川さん、あの子のことも、いつもまぶしそうに見てるじゃない……」


「そりゃまぶしいよ。僕の目にはどっちも光り輝いて見える。だって……」


 僕は真剣なまなざしで後輩その1ちゃんを見つめ返す。離れたところにいた後輩その2ちゃんが、「なになに~?」って声を上げながら寄ってきた。


「きみのイエローに光り輝くヒョウ柄はすっごくセクシーだし、あの子のきらめくレインボーカラーはすごく神秘的だ。僕には、どっちも魅力的だし、すごくうらやましい。だって、僕はこんなに小さいし……こんなに地味なんだもん……」


「関川さん、ごめんなさい、あたし……」


「関川サン、それでもあたしはそんな地味な関川サンが好きなんです!」


「あ、あたしだって……! 関川さん、あたしも、地味でアソコが小さくても、関川さんが好きです……!」


 二人の後輩が、可愛いセリフとともに僕のあとをついてくる。


 僕は、みんなが大好きで、大切なんだよ。だから、みんなで仲良く生きていこうね。



  ◇ ◇ ◇



「この子たち、ずーっと関川くんのあとにくっついてるよねー」


 二子ふたこちゃんが、神妙な顔つきでのぞき込んでいる。ボクはコーヒーを淹れながら、またか、とため息をついた。


「二子ちゃん、前から言ってるけど。『関川くん』って呼ぶのやめない? そのグッピー、メスだから」


「だってこっちがオスだと思っちゃったんだもーん。地味だし、体はおっきいし、でもアソコはちっさいし」


「アソコって言うのやめて! 尾ひれって言って!」


「それにほかの子たちの方がキラキラしててきれいだし~。ところで、みんなさっきからずっと口をパクパクさせてるけど、お腹空いてるんじゃない? ブラックペッパーあげてもいい?」


「黒胡椒、美味しいよね。でもやめて」


 二子ちゃんは、ボクの部屋の水槽で泳いでるグッピーたちに興味津々だ。


 これから二人でペットショップへ行って、彼女に新しいグッピーを選んでもらうのも悪くないな、と思う。


🌰🌰🌰


『ハーレムかと思ったら逆ハーでした』


<終>

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