第92話春への架橋

4月……1年で一番嫌いな月である。


寒かったり、暑かったりして困ることこの上ない。


外にどんな格好して出ればいいのか分からん。


4月の憂鬱……。皆んな同じだと思うけど。


一応高2から高3には進級出来た。


もちろんドンケツの3年C組だが。


悪友の床上丈太郎は東大に受かり、元カノの越波神奈子は慶応大学に一発合格。


もはや住む世界が違う。


まあ卑屈になることはないが……。


肝心の微妙な関係の五宮フレイユは東大を狙ってるようだ。


益々勉強に忙しい。


なんせ手の早い俺がまだ彼女の手も握れてないのだ。


赤いスイートピーじゃないんだからね。


要は彼女とセックスしたいわけだが、ラブホ以外やる場所がない。


いきなり……ねえ躊躇するわな。処女かもしれんし。


この半年で五宮とお茶したのは2度だけ。


しかもお茶してる最中も延々参考書片手に勉強してる。


まあ東大狙うにはこのくらい徹底しないとダメなんだろう。


しかし実は彼女の美貌を拝んでるだけで結構満たされる。


無言のデートも悪くはないのだ。


まあこのまままたダブらんように1年を過ごし社会に出ましょう。


2022(R4)4/27(水)



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