第46話ルーフトップの誘惑

「まあ、気楽に考えといて、あとこないだはありがとう」


五宮フレイユは少し顔を赤くする。


多分男に対してバリアーを張るタイプなんだな。


彼女の持つこのフェロモンは危険な香りがする。


女慣れしてない童貞くん達は勘違いするだろう。


並みの吸引力ではないと言える。


あの雨の日の水も滴る五宮は神がかっていた。


生徒会ね。まったく領域(フィールド)外のことだ。


生徒会長の西園寺霧風さいおんじきりかぜは年齢離れした見事な演説をしていたが、なんかヒトラー的な独裁者のような匂いがプンプンして気分の良いものじゃない。








1時限目の数学はきつかった。


なぜにこれほど数学アレルギーがひどいんだろう。


昼休みに屋上で焼きそばパン食べてると“ニルヴァーナ”の“スメール・ライク・ティーン・スピリット”が流れてくる。大胆な選曲だ。


我が上等高校の視聴覚委員にこんなファンキーな曲選ぶ奴がいたとは……。


神奈子は多分大先生の存在に気付き始めてるな。


女の勘の鋭さというのも男には理解出来ないくらい冴えてる。


向こうは大学受験を理由になかなか会ってくれないが、含みを感じる。


昼休みくらい一緒でもいい気がするが、神奈子とも終わっちゃうのかな。


大先生はいつ退院するか、分からんし。


妙に性欲が疼いてきた。


ここでタイミング悪く屋上に仁科望美子が登ってくる。


仁科は俺を見るとニヤッとして「あんた、あたしとやりたがってるでしょ?」


そう言って勝ち誇った顔をする。


まあ、性処理は女なら誰でも……よくないでしょ!


「勘違い、勘違い、いま性欲ないよ」


まったくバレバレの嘘である。


早く家帰ってAV 見たいな。


2021(R3)9/14(火)





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