第390話 あとがき

永い間、長い文章に、健太郎の人生の一部にお付きあい頂いてありがとうございました。


今作は本稿で終了いたしますが、福島のあの港町では、今でも健太郎は防波堤で凪いだ海面を見つめ、昔を思っている事だと思います。


ただ、今までと違うのは、彼には彼を慕う、彼の大切な家族が寄り添っている事です。


恐らく、今、あの防波堤に行くと、リリィさんや彼の子供たちがはしゃぎながら釣りをしていているでしょう。


そして、遠くの阿武隈山脈にゆっくり夕日が沈むころ、工場の終業のサイレンが鳴るころに、今日の楽しかった思い出を語りながら、家族は手を繋いで家路に帰っています。


永遠に寄せては返す穏やかな凪いだ波の音を聞きながら……

永遠に訪れる幸せを噛みしめながら……


本作でのエピソードは、私自身と家族、友人の実際の話をベースにフィクションを加えて創作しています。


でも、流石に六年生をやり直すところは完全にフィクションですが……


身近に起こっている、起こりそうな話でまとめた地味な物語でしたが、深く読んで頂いた読者の皆さまに支えられ、ここまで、1年間、20万字を書き進める事ができました。


この場で、お礼を言わせていただきます。


永い間のご愛読ありがとうございました。


樹本

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

凪の始まり 樹本 茂 @shigeru_kimoto

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ