第212話 デート1
「まったー?」
手を上げて、遥か彼方から嬉しそうな女性が駆けて来た。
服から、立ち姿から声から煌びやかな女性が笑顔を見せながら、ヒールの音を響かせて小走りでやって来た。
レイアさん……熱帯の鳥ですか? 熱帯魚ですか?
派手な服と風を纏いレイアさんは俺の前にやって来た。
「レイアさん……」
「どうした? 健太郎? 綺麗すぎて驚いたか?
まずは、女の子の事を誉めるのよ。あなたの為におしゃれして来てるんだから、
そこから、デートは始まるんだよ! 健太郎!!」
大人っぽい……綺麗な熱帯魚みたいなスーツで、大きなサングラスを外し、レイアさんは俺を見据えた。
髪の毛巻き巻きしてる。
縦ロール……
「あ、ああ……綺麗……」
頑張って褒めたよ。
「アハハ! まだ難しいかな? お子様ケンちゃんには! とりあえずご飯だな。お子様ランチが良い?」
そんなはずないだろう……
「今日はデートだから、腕組んでいくよ!」
妙なテンションのレイアさんに導かれるまま、大通りに出て、タクシーに乗って、少し離れたレストランへ向かった。
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