第202話 レイアさん9

「結婚して東京から相手の田舎に一緒に帰るの。結局、東京では何にも成れなかった。夢を持って上京して、頑張ったけど、ダメだったね。それで、出来た男にそそのかされて気がついたら、こんな感じ……


だから、こんなんでも貰ってくれるって人がいるうちにね……


その人ね、地元でお家が店やってるんだ。私もそれを手伝って……

身の丈の生活をするよ。


だから、ここでの事は無かった事にするの。大好きな健太郎のことも忘れるの……

ごめん……

ごめんね……」


また、レイアさんは俺を抱きしめた。

レイアさんは小刻みに震えながら、ときおり俺の頭の上に……

涙を落としていた。

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