第198話 レイアさん5

「何? 」


俺がレイアさんの憂いのある横顔に見入っていたら、それに気づいて、座った目線を送って来た。


「え? いえ、なんでもないです」


「健太郎、あんた、私の顔に見とれてたでしょう?」


「い、いいえ」


「もっと言えば、眉毛見てたでしょう? 私のうっすい眉毛見て、ほくそ笑んでたでしょう?」


何で分かったんだ。


「健太郎、分かりやすいよ。可愛いな……」


レイアさん?

少し目を伏せて、一度口の中に言葉を出したように見えたけど……


少し息を吸ったレイアさんは俺を見据えて、


「どう? 落ち着いた?」


「え?」


「ん……お父さんの事……」


ああ、その事を聞きたくて、さっきから、なんか落ち着かない感じがしたのか、気を廻し過ぎだよレイアさん。


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