第166話 雅さんの悩み4

俺は、決して、褒めてもらえるようなことはしていないが、後ろ指をさされる様な記憶もない。そういう事だ。だが、しかし、それは俺のような大人だから、他人の言う事など気にしない、なんら、検討に値しない、外野の遠吠えのような物と達観出来ているからだが、思春期の女の子と当事者の雅さんにそれを言ってもあまりにも酷というもので、それは、雅さんにしか決めることは出来ないし、俺がどうこう言うものでもないと思っていた。


今までの俺なら……


「郷田さん、雅さんは郷田さんにパソコンの使い方教わって何する気なんでしょう? 何か知っていますか?」


「はい、雅さんは、この仕事から足を洗って、事務職、経理の仕事に就きたいようですが……」


郷田さんの表情が曇る。俺も、それ以上郷田さんに聞かなくてもわかる。

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