第123話 未海さん5

「どうする? 未海さんに会う? 俺が家まで一緒に行こうか?」


当事者でも何でもない俺が絡んでも全くいい事など無いと思う。でも、それはリリィさんが一人で未海さんの家に行って、未海さんのお母さんはどう思うか。一週間も娘を休ませている事が既に事の重大性が分かっているんじゃないかとも俺には感じられる。


これはどうするか……難しいな、俺にはかなり荷が重い。

そこに立ち会う理由がない。

ただの友達が一緒に行くにはあまりにも重い場面だ。


俺はどちらの側にも付けない。

そもそも、二人を合わせて何をさせたい。

未海さんに謝らせたい?

そんな事は全然思っていない。

それは未海さんがリリィさんに謝罪する様な事なのか?


俺はリリィさんには申し訳ないが、感情的には理解できるけれど、でも、それ以外で謝罪しなければならない理由があるとは思っていない。


すまないが、それが俺の本音だ。どんなに大切な友人でも、それ以上……俺には踏み込めそうにない。

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