第60話 千絵ちゃん

蒸し暑い日が続いて、いよいよ夏の到来を予感させる。今年の夏は一味違う、だって、夏休みがあるから。

夏休み最高!何しようかな?海行って、キャンプ行って、仕事行って、仕事行って、仕事行って。勤労児童に夏休みは無い。児童の部分に夏休みはあっても、勤労の部分には、夏休みは、無い。


千絵ちゃん……極大人見知り、俺でも、慣れるのに結構かかった。最初は目を合わせないで地面に餌をばらまいて、物陰からコッソリ観察していた。やがて、慣れるにつれ近くに近づける様になって、手から餌をあげれるようになった。


いや、何の話だ。野生動物の餌付けの様な話ではない。人間だ。ウチのキャストだ。


千絵ちゃんは、はまれば、長くお付き合いが出来る。その嵌る幅が極端に狭い。狭すぎる。

千絵ちゃんは深夜アニメを見るために、リアルタイムで見るために昼間の仕事についていない。嘘の様なホントの話だ。そして、そっち方面の、シンパシーを感じるお客さんには絶大な支持がある。


ちなみに、最初は名前を節子にしようと思ったんだけど、ドロップでも渡して写真撮ろうと思ったんだが、周りの、周囲の反対にあって千絵ちゃんになった経緯がある。そこから外見は察してくれ。


「千絵ちゃん……調子はどう?」


「………………」


「どう?」


「良いです」


今夜も定常運転です。

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