第62話 バージンじゃわからない

 俺達三人はファミレスを出て、駅近くの焼肉店に向かった。


 値段は割高だが料理は外れが無く旨い。俺はビールを頼み、咲は生レモンハイを、真菜はオレンジジュースを頼んだ。今後のポセイドンプロジェクトの活躍に乾杯した。

 

「昨日ノンさんに抱かれて思ったんですけど毎日でも抱かれたいって感じました。女子が男にハマるのが分かります。援助交際をする女子は、気持ち良くてお金が入るから見ず知らずの男に抱かれるんですね。ノンさんに抱かれて初めてその気持ちが分かりました。」

 

「でしょ!バージンじゃ分からないんだよね。あたしも初めてノンに抱かれた翌日また抱かれたいって思ったもん。ある意味、中毒みたいになるんだよね。男ってズルい生き物だからそこを狙ってくる。ホストなんてその典型だよね。真菜は良い経験をしたね。相手が悪い男じゃ無くて良かった。」

 

「俺は褒められているのかな?人間、生きていて一番気持ちいいのは、セックスだって言うからね。女を射止めるのはいかに気持ちよくしてあげられるかだ。俺が若い頃、複数の女と関係を持てたのも、その手のテクニックがあって相手が満足したからだろうな。まぁ何の自慢にもならんけど。」

 

「あたしと真菜を二人一緒に抱くとか出来るの?」

 

「俺はそういう趣味は無い。それとコスプレとかも興味無い。目の前の女一人に集中してやるのが俺の流儀だ。」

 

「心の声を聴けても悪い男にハマる女子も多いからね。あたしも真菜もノンにハマってるし。愛とか正義とか分からなくなるよ。でも人身売買とかで幼い少女達が性産業の奴隷になっている国とかあるし、何とかそう言うの止めさせたいんだよね。」

 

「わたし思うんですけど、やっぱりターゲットのノンさんがカギを握っていると思うんです。人間の一番の願望は不老不死です。現在ポセイドンプロジェクトに参加している人達は『N』に遭遇すると不老不死という永遠を手に入れる事が出来ると信じています。でも不老不死を手に入れたとしても地球温暖化などの自然破壊が進めば人類は滅亡します。その危機感を逆手に取って心の方程式を用いて愛を説いて行けないでしょうか?」

 

「咲の人に霊力を授けると言う力を真菜とか十二使徒にも使える様に出来ないの?咲一人だと限界があるよね。まして世界規模になるとなおさら無理があるよ。」


 焼肉店での会話が続く。

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