第23話 元おじさん・・・ガチャを回す。
「提案します、マスターガチャを回しませんか」
ラヴィから突然そのような提案をされた。
「突然だな、何か重要なイベントでも始まっているのか?」
おじさんもたまにパソコンで、その手のゲームでガチャを回したりした。
但し無課金で、運営の方々すみません、遊びにお金がまわせない生活でした。
でも、昔からガチャの何が出るのか分からないわくわく感は好きでした。
沼ら無い様には気を付けていたけれども、ハマっていた知り合いはいたけども。
「回答します、〈イベントガチャ・異世界冒険記念特別ガチャ〉初回11連無料が始まっていまして、期間が転移して5日目までの限定ですので報告しました」
うん!それは回さなければいけない、そしてそこからズルズルと・・・。
「ちなみに、実際はどの位MPが必要なんだ」
「回答します、11連で1000MP必要です」
「初回無料分回したら終わりじゃん」
「回答します、ストレージ内のMPタンクにみんなで貯めた3000弱の蓄えが在ります」
「使える訳無いだろう、そのMPだって使い道が在るんだろ」
「回答します、マヨヒガの維持管理に多少使います」
「なら尚更使えない、この異世界での快適な生活に支障を来す訳には行かない、無料分回して物足りなければノーマルガチャを回してみるさ」
「感心しました、若さゆえの衝動でまわしてしまうかとドキドキしました」
ん?
「見た目は若くても、精神的にはおじさんだからね」
「疑問に思います、おじさんの方がその様な欲求が強いのではないのですか?」
んん?
「回したい欲求だよねぇ」
「回答します、まわしたい欲求です」
・・・・・・・・・・・。
「ガチャの説明頼む」
「了解しました、ガチャのレアリティは低い順から、鉄級・銅級・銀級・金級・白金級・虹級の6つになります。
ノーマルガチャでは、鉄級・銅級のみ排出されます。
それ以外は消費MPが増える程レアリティが上ります。
ピックアップやイベントも在りますが、かなり気まぐれです。
その内ノーマルガチャにも種類が出るかもしれませんが未定ですので、どんどんMP消費してその気にさせましょう。
課金ならぬ課MPです。
ただしまだ其れだけの余力が無いので、マスターがんばってMPを稼いでください」
あれ?何気に乗り気なのかな。
「回答します、私も楽しい事は大好きです、破滅したりしなければ」
「うん、気を付けます」
こんな遣り取りもそこそこにいよいよガチャを回してみよう。
ガチャの使用を念じると目の前に半透明のパネルが現れた。
そこには、ガチャの項目が表示されており可愛らしいキャラデザインでそれぞれの項目をアピールしている。
でもまずは、〈イベントガチャ・異世界冒険記念特別ガチャ〉を回してしまおう。
パネルからイベントガチャを選択、指示に従いボタンを押して行く、最後に〈よろしいですか。〉と確認されたので、〈はい〉のボタンを押すとガチャが起動した。
画面上でキラキラと光輝く演出をしたのち排出が始まる。
ガコッ ガシャン! パコッ♪
金・スキルオーブ:アイテムBoxLv1
銀・スキルオーブ:鑑定Lv1
金・マジックバック(大)
白金・無形の武具ヒルディア
銀・マジックテント(4人用)
銀・スキルオーブ:上位生活魔法
白金・魔槍雷鳥イカズチ
金・スキルオーブ:戦闘の才能Lv1
銀・高級野外調理セット
銀・マジックバック(中)
虹・幻想の宝玉
・・・随分と豪華な内容ではないだろうか?
スキルはオーブに成っていて、触れて〈解放〉と念じれば習得出来る。
アイテムはカードに成っていて、こちらも触れて〈解放〉と念じれば本来の形と成る。
しかし何故こんな一手間かけてカードなのか?
それは、カード・オーブ状態でのみ行える合成機能が使用出来るからで同種のカード或はオーブを合成するとアイテムは性能が向上し、スキルはスキルレベルが上がる。
ただし、一度〈解放〉すると二度とカードやオーブには戻らない。
良く考えて使用しよう。
幾つか、既に持っているスキルや似た様なアイテムもあるけれども。
ハズレが無いよね?
「回答します、イベントガチャなのも関係しますがマスターの幸運値が上限を超えているのも原因です。
良い物が当たりやすく為っているのでしょう。
そもそも、ハズレとは個人の価値観なので恐らく使えない物は排出されないと思います」
なるほど、取り敢えず内容が被っている物はストレージに突っ込んでその他は鑑定かな。
〈スキル:神羅眼〉使用!
____________________
・無形の武具ヒルディア:正体不明の流体金属で出来ており、所有契約した者の望む武具へと瞬時に姿を変える。
普段は目立たない様に変化させ隠しておけば暗器にも使えます。
・魔槍雷鳥イカズチ:オリハルコン製の魔槍、雷属性が付与されていて、投擲すると雷が鳥を
・幻想の宝玉:所有者の幻想を叶える宝玉。
《貴方はソコにナニを望みますか》
________________________
扱いに困る物ばかりだ!
そう思い、幻想の宝玉をカードのまま手に持つと、突然輝き宝玉の形と成った。
おじさんがその状況に驚いていると、幻想の宝玉が体へ吸い込まれる様に消えていった。
「ラヴィ!どうなっているこれ!お、おじさんのナカににになかに~・・・」
「落ち着いてください!マスター直ちに人体に悪影響が出る事は在りません」
「もち着けるか~!それってはぐらかす
「提案します、まずは深呼吸を、ひっひっふう、ひっひっふう、さぁ一緒に!」
ひっひっふう、ひっひっふう、ひっひっふう、ひっひっふう、ひっひっふう。
「確認します、マスター落ち着きましたか?」
・・・・・・落ち着きました。
「了解しました、では本題です、先程の現象はマスターの望みを叶える為、幻想の宝玉が発動したのだと思われます」
「本人の了承無く?」
「回答します、本人の了承無くです」
「不味くないかそれ」
「回答します、あの手のアイテムは自身の使命に忠実ですので融通はほぼ利きませんので諦めて下さい。
マスターの望みが判ればその時叶えてくれます。
何時に成るかは判りませんが。」
「うわぁ、おじさんの願いって何だろう?」
「推察します、彼女ですか?卒業ですか?もっとディープなプレイですか?」
「ラヴィは、自分の事どう思っているの?」
「回答します、マスターの記憶に在ったもうそ「ストップ!ゴメンナサイ!オネガイヤメテ!」了解しました」
・・・・・・・・・・・・・。
「提案します、危険なアイテムやスキルが排出された場合は私が警告します」
「よろしくお願いします」
「了解しました、マスター提案します、気分転換にノーマルガチャを回してみませんか?」
「ノーマルガチャ?理由は」
「回答します、普通のアイテムやスキルなら気分が落ち着くかと思い」
「・・・そうだな、今までが可笑しかったんだヨな、良し!
ノーマルガチャ回そう!」
おじさん、早速ガチャ起動させてノーマルガチャを回した。
その際、今度は体から何か吸い取られる感覚があったがおそらくMPの消費だろう。
ガコッシャン! ガ パコッ♪
____________________
鉄・木の棒
鉄・布袋(小)×10
銅・鉄の剣
鉄・塩5kg
鉄・木の棒
銅・スキルオーブ:剣術Lv1
鉄・木の棒
銅・胡椒1kg
鉄・革の外套
鉄・布袋(大)
鉄・干し肉1kg
________________
普通だよな?これが普通のガチャの結果だよな?
「回答します、マスター普通のガチャ結果です、疑い過ぎです。
心配ならもう一度回してみて下さい」
・・・そうだな、うん、回そう!
再度、ノーマルガチャを回した・・・!
光った?何かの演出が起きたぞ!
これ本当にノーマルガチャか?
ガコッ ガシャン! パコッ♪
__________________
鉄・ポテチ塩(小)×10
鉄・カパえび塩(小)×10
鉄・甘露飴(普)×5
鉄・ミルクチョコレート(板)×5
鉄・ハイチョー(普)×5
銅・ビーフジャーキー1kg×5
鉄・木刀
鉄・ポテチコンソメ(大)
鉄・チョコ大袋
銅・プッツンぷりん3個入り×5
銅・エロ本(雑誌)×5
____________________
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
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