第24話 頼むぞ!ナイフ!

「もう遅いけどなぁ!」


ヒュン!ヒュン!ヒュン!ヒュン!


後ろは崖、前にはモーニングスターを構えたチンピラが4人。逃げ場は無い。


そして、俺の手には刃渡り20cmのナイフだけだ。ダンジョンの外だから『冒険の書』は使えない。万事休すだな!


…と思うのは大きな間違いだ! ここで諦める俺じゃない。


「うらぁ!」


ヒュン! ヒュン! ヒュン! ヒュン!


振り回されたモーニングスターは時間差で着弾した。その先を見て回避!何とか包囲から抜け出した。


ジャラジャラ!


「ちっ!外した。」


「鎖が絡まっちまったー」


「ぐずぐずしてねえで追いかけるぞ」


チンピラ達はモーニングスターを置いて、追いかけてきた。逃げる、とにかく全速力で逃げた。そして、ジェニファーの庭を抜けて深い森の中へたどり着いた。ここまで来れば追いつけないかな?


「見つけたぜ!」


「諦めなぁ!」


手斧を持った、2人のチンピラがチンピラが追いついてきた。


…もうやるしかないようだ!


「いくぞ!」

シュッ!

相手が斧を振り上げる前に、素早く足を切りつけた。


「クク!残念だったな。かすり傷だぜ!…?かゆい、傷口がかゆい!」


チンピラは苦悶の表情で傷を掻きむしり始めた。


「何やってるんだ!傷口が広がるぞ!」


もう1人のチンピラが彼を静止しようとしている隙に俺は逃げ出した。よし、何とか巻けたな!


丁度この森には野生の漆が群生していて、それを使ったんだ。ありがとな!

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