B級映画世界サバイバルガイド

あなたが騒動の中心になってしまったら

　この世界で騒動の中心人物になってしまうのは、胃に穴が空きそうな状況である。少しでも選択を間違えば、待ち受けるのは死のみであるし、この状況から逃げ出すのは至難の業だ。そうなったら、どうすれば生き延びられるのか？

　例として、あなたがテロリストや犯罪者に狙われる立場になったケースを想定して話を進めてみよう。

　――あなたは善人だが、偶然、悪党にとって不利益な情報を握ってしまい、命を狙われている。警察は役に立たないが、市警察のタフガイな刑事が味方についてくれた――

　この状況に陥った場合、まず大切なのはあなたの性別である。女性で、若く、美しい容姿であれば生存確率が非常に高くなる。逆に中年で容姿も普通な場合は著しく生存確率が低下する、もしヒーローの傍に違う立場の美しい女性がいれば尚更だろう。ヒーローは一応守ってくれるかもしれないが、悪党は口封じを完遂するだろう。

　なるべく、ヒーローとは親密な関係になっておく事だ。ヒーローに本気を出させるだけの魅力があなたに無ければ、生存できる確率はめっぽう低くなる。

　悪党に捕まり人質になったり、始末されそうになる確率は高くなるが、ヒーローの行動能力は格段にアップするので助かりやすい。また、あなた自身に戦闘能力やサバイバル能力があるのなら、それを率先して実行すべきだ。トラブルから無事に脱出できる要素は高くなる。

　あなたが男性であれば生存確率は減るだろう、容姿はどうであれ死亡する確率は一定して存在するが、ここで必要とされるのはヒーローの悪党退治にあなたがどれだけ貢献できるか、である。ヒーローと一緒になって悪党を追い詰める事と、相互に信頼関係を築く必要がある。あなたに戦う力があれば協力するのが一番だろう。

　たとえ銃が使えなくても、その他の能力を遺憾なく発揮しよう。ヒーローは銃の撃ち方やドライビングテクニックが異様に上手い一方で、何かに対して弱かったり疎かったりと必ず欠点は抱えている。それを補える能力があなたにあるなら、それを実行してヒーローを支えれば、生存確率はより高まるだろう。

　お調子者な性格の方が、生存確率が高いと言う意見もあるが、それは悪党のタイプによって様々だろう。特に女子供に容赦ないような悪党がいる場合は、運頼みになる。だが、何も出来ないというよりはマシだろう。

　総じて言える事は、受け身にならず積極的に自分の力を出す事である。

　死という結果を回避するためには、あらゆる努力をして、自分の力を惜しげもなく実行する必要がある。ヒーローは余程の事が無い限りは死なないという世界であるが、自分がヒーローになれなかった場合に行える事はこれしかない。

　自分がヒーローにでなくてもギリギリまでヒーローに近づくか、ベストを尽くすかだ。